Intelの小さな変調にウォール街は大きく反応(2/2 ページ)

» 2008年01月18日 16時16分 公開
[Scott Ferguson,eWEEK]
eWEEK
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「エンジン全開」のIntel

 「IntelがSilverthorneを低価格PC向けに提供しようとしているのは、非常に興味深い」とファイバス氏は話す。「これによってPCの低価格化がさらに進む可能性があるが、Intelにとっては利益の大きなビジネスになりそうだ。需要ピラミッドの下の層に注目すれば、同社は低価格をボリュームで補うことができる。現在、Intelの45nm製品が一斉に登場しようとしている。まさにエンジン全開の状態だ」。

 オッテリーニ氏によると、最初の45nmチップである「Penryn」プロセッサを昨年11月に出荷して以来、同社は30種類以上のチップを市場に投入したという。

 Intelの四半期決算は、米国でのPC市場の減速傾向を示しているかもしれないが、ファイバス氏によると、デスクトップとノートPCの世界市場の見通しは依然として堅調だという。その理由の1つに米ドル安がある。これは、通貨が強い欧州やそのほかの国々が今年、デスクトップとノートPCの低価格化という恩恵を受けることを意味する。

 オッテリーニ氏は1月15日のアナリストとの会見で、Intelの売り上げの約75%は米国市場以外でのビジネスによるものだと述べた。

 Intelではローエンド市場と新興市場に目を向ける一方で、サーバ市場にも力を入れる考えだ。同社はこの間、サーバ市場向けに数種類の新プロセッサを投入した。これに対して同社の最大のライバルであるAMDは、クアッドコアOpteronプロセッサを同市場にまだ大量供給できないでいる状況だ。

 Technology Business Research(TBR)のアナリスト、ジョン・スプーナー氏は調査メモの中で、「Intelは利益率が高いエンタープライズ市場で強固な足場を確保して2008年をスタートすることになりそうだ」と述べている。

 「TBRでは、Core Microarchitectureの強みに加え、競合するAMDのクアッドコアOpteronプロセッサがまだ大量に出荷されていないという状況が追い風となって、Intelがサーバ分野で優位を維持すると考えている」とスプーナー氏は記している。

 「Intelのサーバ向け製品の出荷数は、自社のクアッドコアプロセッサの売り上げ拡大もあって2007年10〜12月期に過去最高レベルを達成した。2008年もこの傾向が続くと予想される」(同氏)

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