IT人材管理から学ぶ――「計画と組織」ドメインと10個のプロセス今日から学ぶCOBIT(4/6 ページ)

» 2008年01月22日 08時00分 公開
[谷誠之,ITmedia]

PO7を例に、プロセスを解説

 ここからは実際に「PO7人材の管理」プロセスを例に挙げ、その中身を説明したい。品質管理やリスク管理も重要だが、「人材の管理」もなかなかどうして、難しいものである。

 最初に、3つの図を示す(図1)。この図は、特に説明しなくても納得していただけるであろう。

図1:プロセスとビジネス要件、ITガバナンスの重点領域、IT資源との関係

 次に、コントロール目標をウォーターフォール式で示す。

A: IT人材の管理のコントロール目標は、ITサービスの創造と提供を行う有能かつ意欲的な要員の確保を、ビジネス要件とし、

B: 重点をおくべきコントロールは、要員の募集と教育、明確なキャリアパスに基づく意欲の引き出し、スキルに応じた役割の割り振り、定義されたレビュープロセスの確立、職位定義書の作成、個人への依存を確実に認識することである。

C: 実現するための手段は、次の3項目である。

  • スタッフの業績レビュー
  • IT実行計画を実現させるためのIT担当者の採用と教育
  • 主要な人材への過剰依存によるリスクの軽減

D: その成果の測定指標は、次の3項目である。

  • IT担当者の専門知識とスキルに対する利害関係者の満足度
  • IT担当者の離職率
  • 職務に必要な資格を有するIT要員の割合

 注目したいのは、今必要なIT人材を確保・維持するためには、その人材の現在と未来を見せる必要がある、としている点である。現在とは「スタッフの業績レビュー」であり「満足度」であり「必要な資格」である。そして未来とは「キャリアパス」でありまた個人への「過剰依存によるリスクの軽減」である。

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