企業に押し寄せるWeb2.0の潮流、Lotusなら選り取り見取り?Lotusphere 2008 Orlando Report(2/3 ページ)

» 2008年01月22日 08時52分 公開
[浅井英二,ITmedia]

Web2.0に慣れた新しい世代が台頭

 これまでのITベンダーは、例えば、コラボレーションの進め方はかくあるべし、と顧客らに押しつけてきたが、Web2.0の流儀に慣れ親しんだデジタルネイティブの新しい世代には通用しない。それぞれにやり方があり、ベンダーもそれに応じた機能を提供し、顧客企業も社員にサービスとして提供すべき時がきている。昨年のLotusphere 2007で披露された、統合されたソーシャルソフトウェアの「Lotus Connections」やチームコラボレーションのための「Lotus Quickr」には、IBMのそうした考え方が反映されている。

 昨年秋には日本語版のLotus Quickr 8も出荷が始まったが、今回のLotusphereでは、8.1もプレビューされた。ConnectionsやQuickrといったソーシャルソフトウェアを担当するジェフ・シック副社長は、「チームコラボレーションのために必要な機能を盛り込んでいく」と話す。同社のコンテント管理ソフトウェアであるFileNetやContent Managerにも対応するとともに、ソーシャルソフトウェアの機能が大幅に取り入れられる。

ソーシャルソフトウェアを統括するジェフ・シック副社長。Lotus Mashupsも彼の担当だ

 コンテントの劇的な増加とその活用を誘発し、社員のスキルや顧客の情報までも生かせるなど、企業のコラボレーション環境を劇的に変えつつあるConnectionsは、統合されたソーシャルソフトウェアスイートという新しいカテゴリーをしっかりと確立している。昨年末には、ソーシャルネットワークを可視化したり、特定のスキルを持つ専門家にたどり着く最短経路を探し出してくれる「Atlas」も発表し、機能の追加に余念がない。

 今回のLotusphereでも、ビジネスユーザーがブラウザベースでマッシュアップできる「Lotus Mashups」を発表している。コンテントフィードを表示用のウィジェットにドラッグ&ドロップし、さらに別の機能のウィジェットと関連づける、といったマッシュアップがブラウザベースで簡単に行えるという。

どっこい、Notes/Dominoも大きく進化

 もちろん、既存のNotes/Dominoの機能強化を疎かにしているわけではない。出荷したライセンスが累計で1億4000万に達したフラグシップ製品は、昨年夏にリリースされたバージョン8からEclipseベースに移行し、クライアントサイドでコンテントをアグリゲートするという、デスクトップの将来を示している。OpenOffice.orgをベースとしたオフィススイート、「Symphony」も部品として同梱され、コンポジットアプリケーションのプラットフォームへと進化している。ローディンGMに続いて基調講演のステージに登場したのも、Notes/Dominoの開発とサポートを統括するアリステア・レニー副社長だった。

 さらに2月に出荷が始まる8.0.1では、Web2.0技術が大幅に取り入れられる。Live Textと呼ばれる新しい技術によって、電子メールに書かれた人や都市の名前、飛行機の便名などが認識され、それに関する詳細な情報を取得するウィジットと関連づけることができる。これによりユーザーは、人の名前をクリックしてプロファイルを表示させたり、都市の名前をクリックして地図を表示させることができるようになる。Googleガジェットやニュースフィード、あるいはカスタムガジェットなども、ドラッグ&ドロップで簡単にサイドバーに取り込むことができるという。

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