GWT――Web構築に新機軸をもたらす開発ツールPrograming Bible(2/3 ページ)

» 2008年01月24日 01時45分 公開
[Federico-Kereki,Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine

GWTに含まれるコンポーネント

 GWTには後記の4つのコンポーネントが含まれている。

  • Hosted Webブラウザ:エンドユーザーが実際に操作するのと同様な環境でのJavaアプリケーションのテストを可能にする
  • Webインタフェースライブラリ:Webブラウザのインタフェースに使う、ラベル、テキストボックス、ラジオボタンなどの構成パーツの作成および提供をする。これらを用いて構築したJavaプログラムは、コンパイルプロセスによってHTML形式の等価物に変換される
  • Javaエミュレーションライブラリ:一般的なJava標準クラスをJavaScriptにて再現する(ただし使用可能なクラスには制限がありJava全体をカバーしている訳ではないため、未対応クラスを利用したい場合は自力での対処が必要となる場合もある)
  • Java-to-JavaScriptコンパイラ(トランスレータ):最終的なWebコードを生成する

 プログラマーとして気になるのは、こうした自動変換というプロセスを経て生成されるコードのパフォーマンスであろう。まずサイズに関して言うとGWTで生成されるコードは非常に小型であり、これをさらに圧縮してキャッシュすることにより、エンドユーザーが1度にダウンロードする必要のあるコードは数キロバイト程度に収まるようになるはずである。生成されるコードそのものの品質は、特に大型プロジェクトの場合においては手書きのJavaScriptと同程度(あるいはそれより高品質)と思っておけばいいだろう。

 またGWTの開発陣の主張を信じるなら、バージョン1.5ではさらなる品質向上が達成されるものとされている。いずれにせよ全種類のWebブラウザを網羅するためのデバッグ作業に取られる時間を節約できることは、アプリケーション本体の開発活動に回せる余裕を増やせることを意味し、最終的なアプリケーションの機能および完成度を高める方向に寄与するはずである。

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