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» 2008年01月28日 19時42分 UPDATE

Cognosのロブ・アッシュCEO――IBMの下で働くことについて (1/2)

Cognosのロブ・アッシュ社長兼CEOは、統合が進むBI市場での競争および製品の差別化について語った。

[eWEEK]
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 ビジネスインテリジェンス(BI)ベンダーのCognosは、IBMに50億ドルで買収されることになったが(買収手続きは今四半期に完了する見込み)、1月15日にニューヨークで開催されたイベントで、Cognosプラットフォームのバージョン8.3をリリースした。この発表会でCognosのロブ・アッシュ社長兼CEOは米eWEEKのインタビューに応じ、競争の激化とBI市場の統合が進む中でIBMの傘下に入るCognosのパフォーマンスマネジメント(業績管理)ソフトウェアの差別化に向けた計画について語った。

―― この10年間はパフォーマンスマネジメントのβ段階だったと言っておられましたね。この分野が今、実を結ぼうとしているのはなぜですか。IBMによるCognosの買収、OracleによるHyperionの買収、SAPによるBusiness Objectsの買収はいずれも、パフォーマンスマネジメントにフォーカスしたものです。

アッシュ その背景には2つの要因があると思います。まず、企業がデータの効果的な活用方法を要求し始めたことがあります――「データ収集に多大な投資をしたのに、何が得られたのか?」「大規模なERP(Enterprise Resource Planning)システムを導入した結果、大量のデータが得られるようになった。次は、それを活用しなくてはならない」というわけです。第2に、わたしが話を聞いた顧客の間には、処理を自動化するだけのシステム、例えば、FordやGMなどがバックエンドに配備しているSAPのようなシステムでは不十分だという認識があります。問題は、広範囲にわたる情報や在庫データ、最適化に関する判断などをいかに活用するかなのです。さまざまに異なる状況にどう対処するかということです。IBMでは、それを「パフォーマンスマネジメント」と呼んでいます。これは、自社の独自性に関するデータに基づくソリューションをどのように表現するかという問題です。Oracle、SAP、IBMがこの分野に本格的に参入したのは、パフォーマンスマネジメントに対する企業の需要がかつてなく大きくなってきたからです。

―― (IBMの下で)Cognosは、OracleやSAPに対してどのような差別化を図るつもりですか。OracleとSAPは、BIに活用できる大規模なトランザクションスイートを持っています。

アッシュ OracleとSAPは、買収した企業を統合するのに膨大な時間を費やすことになるでしょう。顧客の間で混乱が生じ、両社は合理化を行わなければならないでしょう。これに対し、われわれの方向性は非常に明瞭です。合理化を行う必要はなく、われわれのパフォーマンスマネジメント製品をIBMのものでリプレースしたり、その逆を行ったりする必要もありません。われわれがフォーカスしているのは、統合を軸とした方向性を追求し、合理化を不要にすることです。われわれはまず、この基本の上に立って競争するつもりです。

 第2に、要となる技術としてのトランザクションシステムとパフォーマンスマネジメントシステムに注目した場合、トランザクション処理はBIと根本的に異なるものです。もしBIと同じであれば、OracleとSAPは買収をしなくても成功できたはずです。IBMはインフラとサービスに関して常に中立を保ち、コアとなるトランザクション技術は提供していません。ですから、企業が保有するさまざまなトランザクションシステムに対応できること、そしてIBMという中立的なサプライヤーと一緒になったことも当社の差別化要素となります。またわれわれは、Cognos 8バージョン3で示したように、連携システムに関する約束を効果的に実現する能力、そしてパフォーマンスマネジメントソリューションの独立性という基本部分で競争する能力にも秀でています。

―― パフォーマンスマネジメントをめぐる競争状況は今後も続くのでしょうか、それとも新たな分野が出現するのでしょうか。

アッシュ パフォーマンスマネジメントが新たな競争分野です。少なくとも6年前から、われわれはそう言い続けてきました。この分野では、カテゴリーの崩壊ともいうべき状況が生じており、CPM(Corporate Performance Management:企業業績管理)、BI、リポーティング、分析などの分野が融合し始めています。これらの間の境界線は非常にぼやけてきており、ユーザーはこういった機能をすべてひっくるめてパフォーマンスマネジメントとして捉えているようです。

―― 2006年にリリースされたCognos 8には多くの初期バグがあったために、Cognos 7スイートからCognos 8プラットフォームへの移行を手控えているというユーザーもいます。バージョン8.3のリリースに当たり、バグだらけのプラットフォームという不評を払拭できそうですか。

アッシュ このハードルは乗り越えたと思います。Cognos 8は大きなアップグレードで、非常にクールな新機能が導入されましたが、品質的にはわれわれならびに一部の顧客が満足できるレベルに達していなかったようです。バージョン8.2ではその問題を解消しました。そして8.3では、すべてが成熟レベルに達しました。ですから顧客は8.3に移行すると思います。「急速に」という言葉は使いたくありませんが、多くの顧客がアップグレードするだろうと考えています。

―― Cognos 7スイートとCognos 8プラットフォームのユーザーの比率はどうなっていますか。

アッシュ おそらくスイートの顧客の40%ないし50%がCognos 8に搭載されたReportNetを購入し、それを利用したアプリケーションを作成しましたが、既存のアプリケーションを移行したのは10%ないし20%です。つまり、移行可能なアプリケーションは非常にたくさんあるのです。

―― IBMは以前、合併した企業をきちんと統合していないと批判されたことがあります。Cognosの場合もそういった危惧はありませんか。IBMによる買収に際して何か困難はありますか。

アッシュ 当然、困難はあります。他社に買収されるというのは困難を伴うものです。問題は、そういった困難を克服するプロセスとアプローチがあるのかということです。IBMはこれまでに50件以上の買収を行っており、これらの買収から得た教訓を、成功も失敗も含めて、包み隠さず明らかにしています。わたしは個人的には、IBMの徹底主義および彼らが採用したアプローチを高く評価してきました。彼らはいい加減なものを出したりはしませんでした。これは素晴らしいことです。また、過去にうまくできなかったことに対しては非常に慎重な姿勢で臨んできました。

 昨年8月のWall Street Journal紙にも書かれていましたが、IBMは今日、買収企業を吸収する能力という点では非常に高く評価されていると思います。彼らは独自のアプローチを採用しています。彼らのアプローチは、製品から利益を絞り出そうという考え方に基づくものではありません。彼らのビジネス価値は、成長を継続的に促進することを基本としています。ですから、重複する技術をたくさん買収し、それらを切り捨てるというようなことはしません。彼らは、追加するすべての技術について戦略的に考えています。この姿勢は成功の可能性を高めるものだと思います。

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