KDE 4で変わるデスクトップ環境Review(2/4 ページ)

» 2008年01月31日 09時54分 公開
[Bruce-Byfield,Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine

デスクトップ

 KDE 4を使い始めると、デスクトップ環境の変化が幾つも見えてくる。パネルには、スタートメニュー、タスクマネージャ、仮想デスクトップページャ、通知トレイ、時計が期待通りに存在するほか、外部記憶装置を監視する「New Device Notifier(新しいデバイスの通知)」という項目が新たに追加されている。しかし、以前のバージョンやGNOMEほどの柔軟性はない。表示位置は画面最下部に固定され、サイズ変更も不可、それにデスクトップテーマと独立した形での色のカスタマイズができなくなっている。また、以前のバージョンで利用できたパネルアプレットやパネルのサブクラスも姿を消している。とはいえ、標準プログラム用のパネルにスタートメニューからアイコンを追加することはできる。ただ、それらの配置を自分で変えることはできない。

KDE 4のデスクトップ

 今回、デスクトップ画面の右上にはデスクトップマネージャが置かれている。これは、ウィジェット(アプレットに相当するもの)をフローティングウインドウとして直接デスクトップに配置できるものだ。ディストリビューション固有の実装によっては、こうしたウィジェットにドックパネルのサブクラスの埋め合わせとしてパネルが含まれている場合がある。これらのウィジェットはサイズがまちまちなので、特にスタートメニューからアイコンを追加した場合には、デスクトップが雑然として見える。各ウィジェットの周囲にはコントロールカラー(control collar)とでも呼ぶべきものが存在する。これは、ウィジェット上をカーソルが通過する際に表示されるミニアイコンの集まりで、ウィジェットの設定、リサイズ、再配置、削除に使用する。

 スタートメニューも徹底的に見直されている。利用可能なすべてのプログラムが一覧表示されるのではなく、「Favorites(お気に入り)」、「Applications(アプリケーション)」、「Computer(コンピュータ)」、「Recently Used(最近使ったファイル)」、「Leave(終了)」といったカスタマイズのできない一連のビューが検索フィールドの下に表示される。各ビューのサブメニューは、それぞれの付属ウインドウとしてではなく、最上位レベルのビューとして、レベルを切り替える矢印アイコンとともに表示される。こうした表示方法に戸惑う場合は(わたしもそうだったが)、従来のKDEメニューをウィジェットとしてデスクトップに追加することができる。

 デスクトップの使い方に影響する変更点はほかにもある。画面右下の隅をクリックするとカレンダーがポップアップ表示され、左下隅をクリックするとスタートメニューが現れる。また、Alt-左クリックでウインドウの移動、Alt-右ドラッグでウインドウのリサイズなど、キーボードおよびマウスによる数々のショートカット操作も利用可能だ。

 KDEの開発者たちは、こうした変更に当たって単純化と整理、そしてデスクトップのあまり使われていない部分の活用を目指したように思われる。しかし、そうした努力が矛盾した結果につながっているところもある。例えば、すべてのサブメニューを同じメニュー内に表示することで省スペース化が図られていても、一部のウィジェットのデフォルトサイズが大きすぎるせいでスペースが無駄になっていたりする。

 インタフェースの変更がはっきりとした形で実を結ぶには、もう少し時間が掛かりそうだ。最小化したウインドウのアイコンをデスクトップ上に配置するなど、開発期間中に行われた幾つかの試みはいつのまにか消えていた。次のリリースでは、パネルの柔軟性の欠如という問題がユーザーの要望によって解消されるような気がする。

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