デスクトップのデザイン変更にはおよばないが、KDEの収録アプリケーションもかなり変更されている。ファイルマネージャとしては、これまでのKonquerorも使えるが、KDE 4ではむしろDolphinの利用が推奨されている。Dolphinは柔軟性の点で非常に優れているが、何よりもこれは広範なオプションと2つのディレクトリを同時に開ける機能のおかげだ。
KDE 4では、主要なファイルタイプの表示手段も変更されている。新たなドキュメントビューアOkularはPDF、OpenDocumentなど何種類ものフォーマットに対応しているため、必要なビューアの数が大幅に減っている。また、画像フォーマットの表示には、Gwenviewが標準のツールとして使用される。Gwenviewは、大きな画像を見やすくするのに欠かせない全画面表示機能のほか、シンプルかつ十分なスライドショー機能も備えている。
もう1つ、大きな変更のあった基本アプリケーションがKDEの仮想シェル、Konsoleだ。メニュー構成が変わっているほか、キーボードショートカットの数が増えている。Dolphinと同様、新しいKonsoleは、個別のインスタンスを開かなくても関連操作が行える分割表示の機能を備えている。そのほか、実行中のプログラムを反映してタブのタイトルを自動的に変更する機能や、検索結果の履歴情報といった新機能も存在する。
KDE 4では、KDE Control Centerが過去のものとなり、それよりもずっと整理された「System Settings(システム設定)」ウインドウが用意されている。これはツリー方式の設定ペイン群で、4つのグループに分類された各種アイコンが「General(一般)」および「Advanced(詳細)」タブに分かれて表示される。また、この「System Settings」ウインドウのレイアウトの一貫性はControl Centerよりかなり向上している。
不可解なのは、プリンタ設定ツールなど一部のツールが一般設定のメニューになく、またKDEメニューの設定のように「System Settings」に追加されなかったツールが存在することだ。一度に提示するオプション数を減らそうとしたのかもしれないが、これでは規則性が分からない。
設定ツールに関しては、ここ何回かのリリースですでに申し分のないできだったので、KDE 4での追加機能はあまりない。それでも、「Splash Screen(スプラッシュ画面)」の管理、「Preferred Application(お気に入りのアプリケーション)」の設定、そしてグラフィックデザイナーたちがずっと求めていたフォントの有効化/無効化といったツール群が追加されている。
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