chumby――米国生まれの情報端末に家電の未来を見るGadget Hacks(2/3 ページ)

» 2008年02月04日 07時00分 公開
[kinneko,ITmedia]

ポーチのようなカワイイ系デバイス

 送られてきたchumbyは、布製の巾着袋に入って届けられた。巾着袋を開けると、その中にはさらに2つの巾着袋と、簡単なマニュアルが顔をのぞかせた。2つの巾着袋の1つにはACアダプタが、もう1つにはアイコン系のキャラクターをあしらった3つのチャーム(キャラストラップ)が入っていた。どうやら幾つかの種類があるようで、どのチャームが入っているかはお楽しみ、といった感じだ。ここにも遊び心が見て取れる。

送られてきたchumby巾着袋の中身
アイコン系のキャラクターをあしらった3つのチャームもう1つの巾着袋にはACアダプタが 送られてきたchumbyをさっそく開封。ハードウェアが巾着袋に入って送られてくるのも驚きではあるが、シンプルな中身にも2度驚く

 chumby本体は以下の写真を見てほしい。サイズといい手触りといい合成皮革の化粧品ポーチを想像してもらえればよいだろう。そのポーチに液晶ディスプレイとスピーカー、USB端子をつけ、ACアダプタに接続すればchumbyのでき上がりだ。

chumby正面chumby側面chumby背面 合成皮革の化粧品ポーチに似た形状のchumby。背面には電源ボタン、AC電源端子、マイク端子のほか2つのUSBポートを備えている

 触覚からして柔らかく、ぬいぐるみのようなchumbyは思わず手にとってなでてみたくなる。一般的なPCや家電が発している、「無表情でなんだか難しそう」というオーラは皆無だ。

 ACアダプタを接続し(PSE認定を受けていないので代替品を使用)、電源を入れるとポップな起動画面の後、chumbyは動画と音声で自分自身の機能説明をはじめる。説明は、各開発スタッフの声と、各人を象徴するアイコンによって進められる。これまで、家電品が自分自身の使い方を説明するようなデバイスがあっただろうか? PCなら付属ソフトウェアで同様の機能を持つものもあるが、それを見てもPCを使えるようにはならない。

 DVDレコーダーや携帯電話など、高機能化したにもかかわらず、ユーザーインタフェースが洗練されていないため、その恩恵にあずかれないことも多い生活を送るわたしたちからすると、デバイスが自分自身の使い方を説明してくれるchumbyには新鮮な驚きを感じる。無人島に流れ着いた子どもが、自身の組み立て方を説明するロボットをたった一人で組み立てる矢野徹の『孤島ひとりぼっち』が思い出される。

 ひととおり機能説明や操作練習が行われた後、タッチパネルの設定、無線LANの接続設定と続く。驚いたことに、ここで無線LANの接続が行えないと、単体で動作する機能も含め、すべての機能が利用可能とならない。無線LANの環境が当たり前となっている米国らしい作りといえばそれまでだが、ここは改善の余地がある。

 タイムゾーンの設定を済ませると、chumby.comへのデバイス登録を行う。登録を後にするよう選択すると、目覚まし時計や、USB接続したiPod内の音楽を再生するプレーヤーといった、chumbyが単体で備える機能が利用可能になる。chumby自体は設定が完了すると時計表示になり、上部に埋め込まれたスイッチを押すと操作メニューが表示される。目覚まし時計はアラームを2つ設定でき、スヌーズ機能もあるが、再生音は3択だ。

 iPod miniをUSB端子に接続して、MUSICボタンを押すと、自動認識されて再生画面が表示される。曲の再生はアルバムやプレイリスト単位で指定可能で、任意の一曲を選択して再生したり、その場でプレイリストを作って再生することはできなかった。日本語表示は、曲名やプレイリスト名に入っている日本語部分は表示できず英字のみの表示になる。

 内部的にはiPod内のiTunesDBファイルをパースして曲やファイルをチェックしているので、単体でファイルとして置かれた楽曲はリストに表示されない。つまり、音楽ファイルが入ったUSBメモリやHDDなどを接続しても、音楽再生はできないということになる。iPodに特化した音楽再生機能というのは残念な部分だ。

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