Web2.0で起業を志す者に捧げる9つの心得Magi's View(2/3 ページ)

» 2008年02月04日 07時29分 公開
[Bruce Byfield,Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine

公明正大な活動を行う

 どのようなコミュニティーであれ公明正大な態度を取る者こそが尊敬されるが、それはWeb2.0の世界も例外ではない。よって状況が許す限り、自分もそうした価値観を共有していることを目に見える形で実証しなければならず、しかもそれはオンラインという限定された空間だけでなく、その他すべての事業活動において一貫している必要があるのだ。多くの矛盾点が露呈した輩に待ちかまえている末路は、口先だけの偽善者としてコミュニティーから見限られる運命しかない。

 例えば、慈善活動であることをうたいながらWeb2.0に乗り出した事業が、実際には多数のインターン学生を使役することで成り立っていたことが発覚したとしよう。事業者側の言い分として、「これはインターン学生たちに貴重な実務経験を学ばせているのです」といった反論も可能だろうが、実はそうしたインターンたちには報酬として時給4.50ドルしか支払っておらず、こうした学生の方がフルタイムの職員数よりも多かったとしたらどうだろう? コミュニティーのユーザーたちが、低賃金で使役されているインターン学生たちの姿を自分たちに置き換えるまでに、それほど長い時間はかからないはずだ。

自分のコンテンツを保護しようという意識を薄める

 自分の運営する事業の結果として何らかのコンテンツが生み出された場合、その著作権を主張したところで別にやましいことはないだろう。例えばあるサイトが、外部の請負ライターに料金を支払って原稿を執筆してもらい、キャリアの構築法やビジネス上のアドバイスに関する記事を掲載したとしよう。そして通常のビジネスロジックに従えば、このサイトの適当な場所にコピーライトに関する注意書きを掲示したとしても何も不思議はないはずだ。

 ところがWeb2.0の世界では、そうしたコピーライトをユーザーは無視して構わないと見なすのが慣行であり、例に挙げたような通常のビジネスロジックはむしろ卑下すべき存在なのである。よって経営者たらん者であれば、こうした流れに逆らうのではなく、コンテンツの共有を促進するためのクリエイティブ・コモンズ(Creative Commons)ライセンスの採用を検討すべきだろう。このライセンスでは、正真正銘のオープンな共有形態および、各種の細かな利用条件に関する規定がいろいろと定められているので、自分の事業で受け入れ可能なバージョンを何か見つけ出せるはずだ。細かな利用条件については、最終的に無視されて終わるだけになる可能性も高いが、そうした違反者の数は限られたものでしかないし、少なくとも著作権に関するオープンな姿勢を示しておくことはコミュニティー内で好意的に受け止められるはずだ。

時間と手間をかけてコミュニティーの育成をする

 古くからのカスタマーをある程度確保している場合でも、新規にサイトを立ち上げるだけでは不十分であることが多い。過去に成功したWeb2.0サイトの大部分はその宣伝活動に成功したのであり、それらの中には従来的な宣伝手法に頼った場合もない訳ではないが、より多くはブログやメールフォーラムでの口コミ的広告によって存在が知られたのである。コミュニティーを形成し始めるに当たっては、悪目立ちするような過剰宣伝を試みるのではなく、この種のサポータ層を育成する必要があるだろう。それを怠れば、誰も利用しない閑古鳥の鳴くサイトが生まれるだけである。

信用を得るために不断の努力を行う

 各自のコミュニティーとのつきあい方が理解できるまでは、ある程度の時間がかかる場合もある。また、ひとたび良好な関係が築けたとしても、その後も継続的な関係維持を心がけねばならない。例えば某サイトの場合、コミュニティーとの良好な関係を築き終わった後でユーザー側のニーズを無視する態度を決め込んでしまい、せっかく育成された信頼関係を失っただけでなく、コミュニティーの活動的なメンバーがライバルサイトを立ち上げるという結末を迎えてしまっている。

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