何かと話題の中国、攻め方のヒントWeekly Access Top10

中国製の「殺人餃子」に世間の話題が集中した。だが、短絡的に中国との関係を絶つのも難しい。中国市場の攻略法を事例を交えて考えてみる。

» 2008年02月05日 16時31分 公開
[怒賀新也,ITmedia]

 アクセストップ10は上記の通りだが、先週は中国製の「殺人餃子」に世間の話題が集中した。日本の食料自給率は低く、輸入に頼る必要があるため、「中国の食品は怖いから買わなければいい」と短絡的に考えることもできない。それどころか、今後は輸入元としてだけではなく、輸出先としても中国の存在感が増すといわれる。少子高齢社会による人口減により、内需が縮小する可能性があるからだ。

 「中国人にモノを売る」――。これが今後の日本の製造業にとって命題の1つになりそうだ。中国市場の攻略法を考える上で、1つ参考になる事例を紹介してみる。雑誌を「つくる」という意味では製造業ともいえる出版業界の例だ。

 日本の女性ファッション誌として大人気なのが小学館の「CanCam(キャンキャン)」。エビちゃんこと蛯原友里さん、押切もえさんなど、日本の代表的な人気女性モデルを輩出している。発行部数も女性誌で日本最多の65万部に達しているという。だが、このCanCamが、中国では休刊に追い込まれた。

 中国で人気がある日本の女性ファッション誌は、CanCamではなく主婦の友社の中国版「Ray」だ。日経産業新聞によると、Rayは日本での発行部数が24万部であるのに対し、中国では78万部だという。中国版Rayの発行は1995年。投資アナリストの木下晃伸氏は「主婦の友社の担当者は、創刊にいたるまでから創刊後も、言葉の問題など諸問題を克服したことだろう」と指摘する。それが中国での存在感の確保につながったという見方もできる。

 木下氏は「中国でビジネスを成功させる秘訣は早くから現地に根ざすこと」と話す。

 資生堂も中国でのビジネスを成功させ、収益を上げている代表企業だが、中国進出は1980年代前半と早かった。「先手必勝」の法則が中国市場にあるようだ。

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