運用コスト削減にもっと注目を――日本オラクルが統合管理製品の最新版発表

日本オラクルは、企業システムの統合管理製品「Oracle Enterprise Manager 10g」の最新版を発表した。運用コスト削減につながる機能が追加されている。

» 2008年02月05日 19時10分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 日本オラクルは2月5日、システム統合管理製品の最新版となる「Oracle Enterprise Manager 10g Release 4(EM10g R4)」を発表。同日から販売を開始した。

 最新版は、前バージョンのEM10g R3で採用したアプリケーションのパフォーマンスをITインフラも含めて診断する、「トップダウン・アプローチ」方式の機能強化を図った。また、システムリソースへの負荷を最小限に抑えたJavaアプリケーションの検証機能、セキュリティパッチ適用の自動設定機能などが追加している。

三澤常務

 新製品の狙いについて、三澤智光常務執行役員製品戦略本部長は「ITシステムは導入コストよりも運用コストの方が高くなるが、意識している企業は少なく、最新版は運用コスト削減に焦点にした」と説明した。

 トップダウン・アプローチ方式のアプリケーション診断機能では、従来はOracle E-Business Suite 11iおよび12iと、Siebel CRM、PeopleSoft Enterpriseのビジネスアプリケーションが対応していたが、新たにビジネスインテリジェンスツール「Oracle Business Intelligence Enterprise Edition」が対応した。パフォーマンス低下時などに、アプリケーション以下のレイヤーを対象に原因分析を行うことで、レイヤーごとに診断を行う従来型の手法よりも迅速に対応できるようになるという。

EM10g R4のアプリケーション管理画面。原因分析の迅速化でサービス復旧までの時間短縮などの効果も期待される

 Javaアプリケーションの検証機能は、J2EEなどを利用したWebサービスやWebアプリケーションの障害分析が自動で行える。Oracle Application ServerやWeblogic、WebSphere、JBoss、Tomcatなどのプラットフォームに対応しており、本番用アプリケーションの稼働状態における診断のオーバーヘッドは1%未満であるとしている。

Webサービスの利用拡大に伴い、Javaアプリケーションの運用管理業務を自動化できるようにしていく

 セキュリティパッチ適用の自動設定では、セキュリティパッチの有無の自動確認やパッチ未適用のサーバの自動抽出、パッチ適用作業の自動スケジューリングなどの機能を提供する。これにより、パッチ適用時の作業工数を削減できるという。

 製品価格は1プロセッサ当たり37万5000円から。Linux x86版とWindows(32ビット)版を同日から発売し、ほかのOS対応は3カ月以内に順次発売するとしている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ