SeamlessRDPでXPとLinuxをシームレスに統合Leverage OSS(3/3 ページ)

» 2008年02月08日 07時30分 公開
[Sergio-Gonzalez-Duran,Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine
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 これでrdesktopのSeamlessRDPオプションを使ってWindowsアプリケーションを起動する方法が分かったので、今度はいよいよexplorer.exeを試してみよう。このアプリケーションは完全なデスクトップ環境を生成するので、ユーザーは主な操作をメニューバーを通じて行うことができる。ただ、エクスプローラを“そのまま”実行すると、画面全体にWindowsXPのデスクトップ(デスクトップ上の壁紙、アイコン、ショートカットも含む)が表示されることになる。

 画面全体がWindowsになるのが気に入らなければ、Windowsレジストリを操作してデスクトップ部分を取り除き、メニューバー部分だけを残すことも可能だ。そのためにはWindows XP仮想マシンに戻り、「スタート」→「ファイル名を指定して実行」を選択して、「regedit」でレジストリエディタを起動する。レジストリエディタ上で「HKEY_CURRENT_USER」→「Software」→「Microsoft」→「Windows」→「CurrentVersion」→「Policies」→「Explorer」を順に選択したら、右側のパネルを右クリックして「新規」→「DWORD値」を選択する。この新規エントリを「NoDesktop」という名前にし、クリックしてデータ値を1に変更したら、レジストリエディタを閉じてWindowsを再起動する。

 Linuxシステムを終了させるとバックグラウンドで実行中の仮想マシンも当然失われるため、このような形でWindowsに接続しようとするたびにVMware仮想マシンを起動してサーバコンソールを閉じなくてはならない。また、rdesktopコマンドを実行する前に、Linuxデスクトップ環境のメニューバーを画面の下から上に移しておくとよいだろう。画面の下にはWindowsのメニューバーが表示されるからだ。

 それでは、次のrdesktopコマンドを実行してみよう。

rdesktop -A -s "c:\seamless\seamlessrdpshell.exe c:\windows\explorer.exe" 192.168.217.129 -u <ユーザー名> -p <パスワード>


 これで、数秒後にはWindows XPのメニューバーが画面下に表示され、インストール済みのどんなアプリケーションでも起動できるようになっているはずである。まるで同じマシン上で2つのOSが同時に動いているような環境ができ上がるわけだ。実に素晴らしい。

 このトリックがうまく使えるのは、VMwareの仮想マシンだけではない。ネットワーク上のWindowsクライアントやほかの仮想マシンのソフトウェアでも使える。ただSeamlessRDPをインストールして、rdesktopが接続できるようにWindows XPプロパティを設定するだけでよい。

Sergio Gonzalez DuranはLinux管理者、システム開発者、ネットワークセキュリティ・カウンセラとして活躍しつつ、Linux研修での教育とLinuxおよびオープンソースに関するスペイン語のWebサイトlinuxtotal.com.mxの運営に携わっている。


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