エンタープライズSOAならIBMに任せろ(2/2 ページ)

» 2008年02月12日 07時30分 公開
[浅井英二,ITmedia]
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Lotus Notesを組み合わせる新サービスも

 大竹氏が率いるバリュー・デリバリー・センターは、SAPの名前こそ付いていないが、SAP製品を中核として経営戦略の策定からシステムの導入・運用管理までを包括的に支援する部隊として2005年に発足した。現在、約500名の陣容を誇る。

 「かつてはERPパッケージに立脚したシステムインテグレーション事業視点のサービスを提供してきたが、エンタープライズSOAの世界になると、コンポジットアプリケーションに関するサービスやLotus Notesをフロントエンドとして活用する新しいサービスも生まれてくる」と大竹氏。

 1月下旬、フロリダ州オーランドで開催された「Lotusphere 2008」カンファレンスでは、IBMとSAPでは初となる共同開発プロジェクト、「Atlantic」が紹介されたばかりだ。SAPはMicrosoftと協力し、OutlookやOfficeスイートをSAPアプリケーションのフロントエンドにするDuetを開発・提供しているが、Atlanticも狙いは同じだ。SAPの顧客の多くは、IBMの顧客でもあり、両社に対する既存の投資を最大限に生かし、社員のレスポンスや生産性を高めたいと考えている。

 今年第4四半期に登場する最初のリリースでは、SAPのワークフローやレポーティング&アナリティクスにNotesからアクセスできるようになるという。

エンタープライズSOA専門トレーニングコースも

 SAPジャパンもエンタープライズSOAに精通したSAP認定コンサルタントを育成すべく、同技術に特化したトレーニングコースを開始することを明らかにしている。2月20日から順次スタートする「ビジネスプロセスエキスパート」「エンタープライズアーキテクト」、および「エンタープライズサービス開発者」の3コースでは、それぞれの専門知識によって円滑なシステム導入を支援できる技術者を育成するのが狙いだ。

 SAPでビジネスプロセスプラットフォーム本部長を務める福田譲バイスプレジデントは、「これまでにもNetWeaverの技術者を育成するコースはあったが、エンタープライズSOAではシステム構築の発想が異なる。単なるツールの使い方ではなく、コンセプト、アーキテクチャー、方法論といった上流工程のトレーニングが欠かせない」と話す。

 こうした専門技術者の育成にも、IBMとの協業の成果が生かされている。「どのパートナーにとっても人材育成は課題。優秀な人材の採用は難しいし、育成も糸口が見いだせないからだ。人材育成でもIBMは半年から1年先行しており、他社の道しるべとなっている」と福田氏は話す。

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