スライド一式を作成し終わったら、採用するものと除外するものとを決めよう。コアメッセージを強く意識して、各スライドがプレゼンテーションの目的に沿っているかどうか、またメッセージを伝えることに十分に役立っているかどうかを自問する。その際には可能な限り厳しく自問して、各スライドがどうしてもプレゼンテーションに必要かどうかをよく考えよう。
自問は冷酷に厳しくしよう――それによりメッセージを印象的にすることができる。
俳優も、歌手も、映画スターも、ロックバンドも皆、やっている。そう、つまりリハーサルだ――ガレージで、あるいは誰もいない観客席を前にして行う大切な取り組みだ。プレゼンテーションを本気で向上させたいなら、初回のプレゼンテーションの前に練習をしよう。
わたし自身、駆け出しのころはプレゼンテーションを準備して一度見直せば翌日すぐに発表していた。そのようなプレゼンテーションの中には、うまくいったものもあれば、それほど印象付けることができなかったものもあった。さらに言えば、まったくまずい意味で印象付けることになったこともあった。しかしある時、クライアント用プレゼンテーションに取り組んでいた時に、プレゼンテーションのリハーサルを行わなければならないことがあって、その時はじめてリハーサルを行うことの利点に気づかされた。そのリハーサル中は、映画監督のような調子で叫ぶチームリーダーから「カット! そこでもっと感情を入れろ!」などといった指導を受けた。リハーサルは2日間におよび、多数の改訂を行った後、ようやく準備が整った。プレゼンテーションは非常にうまく行き、いつもよりも多く時間をかけた見返りは十分にあった。リハーサルを行うと、頭の中だけでスライドを反復するのとは異なって、問題点に対処したり、話し方の練習をしたりできる。今ではリハーサルは、プレゼンテーションを成功させるためのわたしの秘策の中でも定番の項目となっている。
劣悪なプレゼンテーションという社会悪に対して、反乱を起こすべきときが来ている。劣悪なプレゼンテーションのために失われた生産性が、経済に実際的なダメージを与えているのではないだろうか? まあそれはどうか分からないにしても、コアメッセージを決めて、物語を作り、メッセージを印象的にして、リハーサルを行うことにより、プレゼンテーションを劇的に向上させることができることは確かだ。ぜひ試してほしい――そうすれば聴衆はあなたのことを敬愛するようになるだろう。
Victor StachuraはITサービスの大手企業で業界コンサルタントを25年間務めている。
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