国内CRM市場の伸びが堅調――IDCが調査

IDC Japanは国内ITソリューション市場の予測規模を発表した。CRM市場の2007年〜2012年の年間平均成長率は6.0%で2012年に6245億円の市場規模に達する。

» 2008年02月21日 13時59分 公開
[ITmedia]

 IT専門調査会社のIDC Japanは2月21日、国内ITソリューション市場の予測規模を発表した。CRM市場の2007年〜2012年の年間平均成長率は6.0%で2012年に6245億円の市場規模に達する。ERPは同5.4%で1兆1635億円、SCMソリューションは同4.9%、3791億円に達する見込みという。

 国内CRMソリューションが堅調に推移した理由は、カスタマーサービス、コンタクトセンターにおいて比較的大規模なシステム構築が実施されたため。2006年から需要が高まっているSaaS(サービスとしてのソフトウェア)型CRMは、初期導入コストを低く抑え、導入時のリスクを最小限に抑えられる点をユーザー企業が評価した。2007年も活発に導入されたとしている。

 ERPソリューション市場では、コンプライアンスへの対応からERPパッケージへのIT投資が活発だった。従来ホワイトカラーのコスト抑制を目的に導入されてきた財務会計や人事給与系のバックオフィスソリューションから、販売管理や生産管理といった企業のコア業務を支えるITへの投資が拡大している。

 SCMソリューション市場は、生産計画や需要予測といった計画系のソリューションからマスターデータ管理やRFIDへの対応などに需要がシフトしてきている。在庫管理、物流管理、倉庫管理といった実行系のマネージメントにもトレンドが移りつつある。国際競争力を強化するためには、タイムツーマーケットを短縮する必要があり、海外における生産と部品調達、および国内における設計と水平分業化が求められる。また製造業およびサプライヤー間の情報の流れを迅速化するためには、SCMは必須のソリューションになっているという。

 IDCは、CRM、ERP、SCMを軸とした国内ITソリューションは、長期的にはソリューションに活用されるソフトウェアの大半がオンデマンドデリバリー型ビジネスへモデルへ移行すると見ているという。

 IDC Japanソフトウェアグループマネージャーの赤城知子氏は「ベンダーは業種や業務に深く精通した現場感覚を持つプロフェッショナルな人材の確保と強固なエコシステムによる相乗効果を狙い、ユーザー企業に長期的なコミットメントを打ち出すべきである」と話している。

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