Spicebirdを作成したのはインドのハイデラーバードに所在するSynovelという企業である。同社による開発作業は完全なオープンソース形態で進められているが、その背景においては、Spicebirdをクライアントサイドコンポーネントとして使用するクライアントサーバ型コラボレーション製品の商用販売を計画しているとのことだ。同社による外部向けのバグ管理にはBugzilla、コードの公開はSubversionリポジトリで行われている。
Synovelの共同設立者であるプラサード・スンカリ氏によると、同社からアップストリーム側のThunderbirdコードに対する貢献も行ってはいるが、Spicebirdでの変更は主としてフロントエンドの単純化に関係しているため、アップストリームでのパッチに反映されるケースはほとんどないそうだ。ただし同氏は「バックエンドに関してはほぼ共通しているので、当方で求める変更点や対処したバグについてはアップストリーム側に報告するつもりです」としている。
スンカリ氏の語るThunderbirdとSpicebirdとの間の最大の相違点は、Spicebirdでは単純化を目指しているということになる。つまりThunderbirdには高度なメール機能が装備されているが、Spicebirdではそれらの多くをそぎ落とす見返りとして、インタフェースに過大な負荷をかけることなくIMなどの諸機能を追加できるようにしてあるのだ。「Spicebirdは汎用プラットフォームとしての色合いが強く、インタフェースデザインも多数のアプリケーションを取り込めるようにしてあります」
また同氏は、将来的にそのほかのコミュニケーションメソッドを追加サポートしていく可能性にも言及している。「現在進めているのはXMPPベースの各種アプリケーションですが、そのほかにもTelepathy(IM、ビデオ、VoIPをカバーする統合型接続マネジャー)やlibpurple(マルチプロトコル型IMクライアントのPidginで使われているライブラリ)についての可能性も検討しています」
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