Spicebird――ThunderbirdとLightningをベースに誕生した統合クライアントLeverage OSS(3/3 ページ)

» 2008年03月11日 15時02分 公開
[Nathan-Willis,Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine
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機能拡張への対応状況

 Spicebirdのβ0.4における最大の不備の1つは、Thunderbird用の標準的な機能拡張がいまだサポートされていない点だ。AddonsマネージャはSpicebirdの機能拡張サイトにリンクされているものの、このサイトは現状で立ち上げられていない。スンカリ氏によると、次のマイルストーンとなるリリース0.7の公開前には機能拡張サイトの運用開始にこぎつけたいとのことだ。

 MozillaのサイトからThunderbird用機能拡張をダウンロードして現行のSpicebirdにインストールできないかを試してみることは可能だが、その場合は当然ながら自己責任にて行う必要がある。スンカリ氏は、XPIを自分で編集する技能を有するユーザーを前提とした話として、最新版のThunderbird機能拡張であれば、そのXPIにおけるアプリケーションIDなど“ごく一部”を変更するだけで利用可能にできるだろうとしている。「わたし自身もGmailUI機能拡張をSpicebird用に改造してみましたが、その際に行ったのはコード中のIDを3つ変更しただけです」

 Thunderbirdと機能拡張という使用法に愛着のあるユーザーであれば、Thunderbirdに適切な機能拡張を追加するだけでは利用できないSpicebirdの独自機能が何かあるのか、という疑問が浮かぶことだろう。実際Thunderbirdユーザーの立場からすると、カレンダ表示であればLightning機能拡張、XMPPプロトコルへの対応であればSamePlace機能拡張、RSSリーダに関しても各種の選択肢が存在しているのである。

 わたしの見解としては、機能拡張を介してこれらの機能をThunderbirdに追加可能なのは確かだが、Spicebirdで評価すべきはその統合度の高さであり、機能拡張同士のコンフリクトを心配したり余分な作業に手間取らせられる必要のない点だと考えている。

 Thunderbirdのメンテナンスについては最近設立されたMozilla Messagingに移管されたところだが、同組織は将来のトランクリリースに向けて電子メール以外の機能を積極的に統合していくと声明している。しかしながらそうした将来の話ではなく、電子メール、カレンダー、IM、RSSを包含した統合クライアントが今すぐ必要というユーザーであれば、Spicebirdの導入を真剣に検討してみるべきだろう。

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