電力・冷却容量とコストで危機的状況に近づくデータセンター(2/2 ページ)

» 2008年03月28日 16時29分 公開
[Chris Preimesberger,eWEEK]
eWEEK
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エンタープライズ市場への影響

 こういった傾向はエンタープライズ市場にどんな影響を及ぼすのだろうか。

 「2006年と2007年に根本的な変化が起きた。当社の顧客はいずれも大手企業だが、以前は予想をかなり下回るペースでサーバを導入していた。ところが2006年には、電力消費量の増加率に関して下位の3分の1を除くすべての企業において、過去のパターンが崩れた」とブリル氏は話す。

 「下位3分の1の企業では実際、電力消費量が減少したが、中位3分の1の企業では電力消費量の増加率が年10%と2倍近く上昇した。上位3分の1の企業では年率22%と3倍以上に伸びた。これは予算の破綻を招く激しい変化だ」(同氏)

 ブリル氏によると、今回の調査では、この急激な変化の原因が明らかにならなかったという。「仮想化はサーバの増加率をダウンさせるはずだが、その状況はまだ起きていないようだ」と同氏。

 「最大の問題は、もう使われていない古いサーバの存在であり、これは比較的迅速に対処することができる」とブリル氏は語る。

 「サーバの退役プログラムに積極的に取り組んでいないデータセンターの多くでは、30%ものサーバが昏睡状態になっている」とブリル氏は指摘する。「これらは、新しい技術によってリプレースされたサーバだが、電源を切って処分する役目が誰にも与えられないために、稼働したまま放置されているのだ」。

 「年間700ドルもの電気代が掛かることを考えれば、これは経費と電力・冷却容量の両面で大きな浪費だといえる。この問題に対する最初のステップは、もう必要でないと思われるハードウェアのリストを作成し、これらのハードウェアの電源を切ることだ。また、すべての仮想化プロジェクトには、プロジェクト完了時点で古いハードウェアを取り除くというステップを明示しなければならない」(同氏)

 電力・冷却コストの削減にすぐに役立つ対策はほかにもある。

 「アプリケーションは、ミッションクリティカル、ビジネスクリティカル、業務運用、業務管理という信頼性カテゴリーに分類する必要がある。その上で各アプリケーションには、可能なかぎり低いデータセンターの階層レベルを割り当てるべきだ」とブリル氏は話す。

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