Intelは社内の専門家とユーザー、開発者を結ぶ新しいコラボレーションサイト「IT Utopia」を開設する。
半導体メーカーの米IntelがIT顧客向けに、Web経由で新しいユートピアを提供する。
Intelは3月31日、Webコラボレーションポータル「IT Utopia」を開設する。ITユーザーと開発者、潜在顧客の新しいコミュニティーを創出し、Intel社内外の専門家と交流できる場として活用してもらうのが狙い。
UtopiaのサイトはIntelが確立済みのコミュニティーサイト「Open Port」と連携させる。Open Portではユーザーが「Ask an Expert」機能を使って専門家とやりとりしたり、コメントを投稿したほかのユーザーと連絡を取り合うことが可能。新サイトでは、Open Portの登録ユーザーでなくてもOpen Portでのやりとりを読んだり、新しいフォーラムを作成できる。
Utopiaの狙いは、Intelの新製品についてのコメント投稿を超えた範囲で交流やコラボレーションを体験してもらうことだと、同社オンラインコミュニティーストラテジストのボブ・ダフィ氏は説明する。
vProや新しいXeonといった製品について単にコメントを投稿するだけでなく、ユーザーが質問を投げ掛けて答えてもらったり、vProを使ってより良いデスクトップ管理環境をどう構築するか、Intelが社内仮想化プロジェクト支援のためXeonをどう利用しているかといった意見交換が可能になる。
「ユーザーが(Intel社内の)人材やフォーラムのディスカッションを管理している人材に質問し、Open Portに戻らなくてもこのサイトで直接答えが得られるような投稿モデルに向けてシフトしたいと考えた」とダフィ氏は話す。
同氏によると、IntelはUtopiaとOpen Portの開発のため、ブログやWikiなど多数のコンテンツツールを作成できるJive SoftwareのJavaベースアプリケーション「Clearspace X」を採用した。このアプリケーションは単一のインタフェースからレーティングシステム、タグ、ワークフロー、RSS(Real Simple Syndication)フィードが作成できる。
新サイト開設のため、IntelはOpen Portに掲載されているディスカッションのコンテンツをUtopiaに移行させたいと考えた。IntelはClearspaceアプリケーションの「Community Everywhere」という機能を利用。この機能ではJavaコードの「スニペット」を作成してコンテンツを1つのサイトから別のサイトに移すことができる。
「Open Portでのやりとりを拡大することにより、ユーザーがOpen Portに行って登録しなくても最近のディスカッションを表示でき、またディスカッションに参加できるフォーラムを提供できる」(ダフィ氏)
Forrester Researchのアナリスト、チップ・グリードマン氏によると、このようなWeb2.0アプリケーションはBest BuyやAmazonのような企業が、顧客の関心と好みの変化を把握する目的で使い始めた。
今ではIdeaStormのブログを主催しているDellのように、メーカーもこうしたアプリケーションを利用し、IT部門支援だけでなく、新製品に対する関心をかき立てて新しい顧客を獲得するためのディスカッション形成に役立てているという。
グリードマン氏は言う。「これは利用できるすべての情報を1カ所に集め、アクセスしやすくするための手段だ。例えば1つのWebサイトである製品について検索すると情報が表示され、同時にその問題が討議されている関連フォーラムが見つかるかもしれない」
Intelのような企業にとってこのフォーラムは、同社プロセッサのバイヤーやx86プラットフォームをベースとしたアプリケーション開発を手掛ける開発者のコアグループとのつながりを保つ手段も提供してくれる。たとえ競合企業がより良い製品を提供したとしても、こうしたユーザーはコミュニティーから離れたくないと思ってくれるかもしれない。
「これによってベンダー切り替えのコストは上がる。製品だけでなくコミュニティーも手放すことになるからだ」とグリードマン氏。
Intelは31日に米国、ブラジル、カナダ、中国でUtopiaを立ち上げ、次の3カ月でさらに7カ国に拡大する予定。広告キャンペーンとソーシャルネットワーキング戦略立案ではMcCann Erickson、MRM Worldwide、Universal McCannなどの各社を利用した。
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