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» 2008年04月01日 16時00分 UPDATE

映画会社のデータ活用:迅速かつ容易に業務分析を現場が積極的に使えるシステム (1/2)

厳しい環境の下、老舗企業、東映はデータ活用を全社的に進めるための新しい仕組みを構築した。

[ITmedia]

導入前の課題

従来のBIツールはユーザーライセンス制だったため、一部のユーザーしか利用できなかった。

データ抽出に時間がかかるうえ、社内で一般的に使われているPCでは快適に操作できなかった。


導入後の効果

サーバライランスのBIツールに移行して、ユーザー数が約5倍に増やすことができた。

データ抽出が十数分で終わり、必要なデータを迅速に利用できる環境が整った。


半世紀越える歴史もつ企業

 東映は1951年の誕生以来、半世紀にわたり、映画・テレビ・ビデオその他の映像の製作と、それらの映像の多角的な営業により、良質なエンターテイメントを提供し続けてきた。インターネットやデジタル放送などの多メディア時代を迎え、映像コンテンツの重要性が高まっている現在も、東京・京都両撮影所を中心に、新たな映像作品を続々と生み出している。

 同社は全社的な情報活用をにらんで、2003年からBI環境を刷新。紙帳票を減らして、スピーディーにデータ分析できる環境を整えた。

ライセンス体系が社内展開の阻害要因に

 90年代、同社では会計や人事・給与、配給収入管理などの各業務システムをメインフレームとオフコンで稼働していたが、2000年問題を見据えて、クライアント/サーバ型のオープン系システムへと順次移行していた。

 その際、各種データを容易に分析できる環境を整えるため、BIツールの導入を決断。これには、従来は各システムで開発していた帳票の開発工数を抑える狙いもあった。

kimura.jpg 東映 情報開発室 室長 木村直道氏

 BIツールを導入したのは会計システム、ビデオ販売システム、配給収入管理システムの3つで、ユーザー数は30。「本来はもっと広く展開したかった」と当時を振り返るのは、情報開発室室長の木村直道氏だ。

 「本当は各部署に展開して誰でも利用できるようにしたかったのですが、そのBIツールはライセンス料や保守料が高額で、ユーザーライセンス体系。気軽にユーザー数を増やすわけにはいかず、そのソフトを利用しないと業務が回らない一部ユーザーのみへの配布に留まりました。その結果、他の社員は従来どおり紙帳票でデータを見ていました」

データ抽出に長時間必要、PCでの活用も事実上無理

 一方、そのツールのスピードや使い勝手に関しても課題はあった。情報開発室の春原智広氏はこう語る。

haruhara.jpg 東映 情報開発室 春原智広氏

 「データ分析するには、まず各システムの業務処理用DBサーバからBIのDBにデータを抽出する必要がありますが、この処理に数時間を要すため、実際にデータを利用できるのは業務処理用DBにデータを登録した翌日になっていました。また、そのツールは処理に高いスペックを要求するため、当時社内で一般的に使われていたPCでは快適に操作することができませんでした」

 これらの課題を解消するため、同社は02年にBI環境の刷新を検討。普及を阻害する最大の要因だったユーザーライセンス体系ではなく、サーバライセンス体系のツールであることを前提条件に、3つのツールを比較検討した。その結果、なかでもデータ抽出のスピードとPCでの処理速度が優れていた「Dr.Sum」の導入を決定。03年2月、京都撮影所の会計システムで試験導入したのち、各システムに展開していった。

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