Shellが3000人分のIT業務をアウトソース

総額40億ドルを超えるアウトソーシング契約を3社と結んだShellでは、レイオフを最小限にとどめる考えだ。

» 2008年04月02日 08時06分 公開
[Deb Perelman,eWEEK]
eWEEK

 Royal Dutch Shellは3月31日、3社との契約を通じて自社のIT・通信インフラをアウトソースすると発表した。契約総額は40億ドルを上回り、過去5年間で最大規模のアウトソーシング契約となる。

 契約を獲得したのはAT&T、T-SystemsおよびEDSで、それぞれの契約期間は5年。AT&Tはネットワーキングおよび通信関連の業務で16億ドルの契約を獲得。T-Systems(Deutsche Telekomの子会社)はホスティングとストレージ業務で10億ドルの契約、EDSはコンピューティングサービスと運用統合の分野で10億ドルの契約を取り付けた。

 契約内容の多くは7月1日から発効し、その時点でShellのITスタッフの大多数がこれらのサービスプロバイダーに移籍する。同社では、人員削減は最小限に抑える考えだ。

 ShellのIT部門は、100カ国で約15万人のユーザーにITサービスを提供している。プレスリリースによると、アウトソースされるインフラ部門の3600人のスタッフおよび外部契約社員(主な勤務地はオランダ、英国、マレーシア、ヒューストン)のうち3000人が契約先のサプライヤーに移籍する予定だ。残りの600人のITインフラスタッフはShellにとどまる見込みだ。

 AT&Tとの16億ドルの契約の一環として、Shellの約560人の従業員が、全世界で30万人いるAT&Tの従業員の仲間入りをする。Shellの1500人のITスタッフは、EDSとの10億ドルの契約の一環として同社に移籍し、900人のITプロフェッショナルはT-Systemsに入社する。

 Shellのアラン・マトゥーラCIO(最高情報責任者)は、「EDS、T-Systems、AT&Tとの提携は、当社のビジネスに対する需要の拡大に応える能力を高めるものである。これにより、ShellのIT部門は石油・ガス市場における競争力を高めるためのIT業務にフォーカスし、サプライヤー各社は基本的なIT機能の改善にフォーカスすることができる」と発表文で述べている。

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