米Yahoo!、モバイル検索強化でユーザー拡大狙う

苦戦が続いている米Yahoo!が、新規ユーザー獲得を目指し、モバイルWebサービスを強化している。

» 2008年04月04日 14時54分 公開
[Clint Boulton,eWEEK]
eWEEK

 米Yahoo!の新たなoneSearchモバイルサービスの音声検索と検索アシスタント機能は、2月1日に買収提案を仕掛けてきた米Microsoftの迫り来る存在感にもかかわらず、同社がWebサービスを強化し続けていることを示している。

 これら新機能は、苦境にあるYahoo!が新規ユーザー獲得をめぐってGoogle、Microsoft、AOLと繰り広げているモバイルWeb競争における最新の策でもある。

 Yahoo!がこの数年、業績でも戦略的方向性でも苦戦しているのは真実だが、oneSearch、ソーシャルサービスoneConnect、コンテンツ管理ツールonePlaceなどのサービスは、同社がジェリー・ヤンCEOの下で進める回復への取り組みの妥当性を示すものの1つだ。

 実際、Yahoo!のConnected Life部門上級副社長マルコ・ボーリーズ氏は、昨年にoneSearchの最初のバージョンを立ち上げて以来、同社は合計で6億人以上の加入者を抱える29社の携帯キャリアと契約を結んだとしている。Yahoo!は、同社がサポートするモバイルコンテンツに付いた広告をユーザーがクリックすることで収入を得られると期待している。

 4月2日にラスベガスのCTIA Wireless 2008で発表されたoneSearch 2.0では、ユーザーはWeb対応携帯電話を使って音声で検索できる。

 Yahoo!は、ユーザーがフライト番号、映画の上映時間、地元のレストランなどを話すだけで検索できるよう、音声認識ソフトの専門企業Vlingoと提携した。ユーザーが時間を節約して、携帯電話のブラウザに検索クエリーを打ち込む手間を省けるようにすることが目的だ。

 oneSearchで使われているVlingoの技術は特に効果的だとYahoo!は主張する。ユーザーがプロンプトに従ったり、検索語の言い回しを考える必要がないからだという。コマンドを声に出して言えば、確かな結果が得られるとボーリーズ氏はCTIAで語った。

 音声検索は米国では一部のBlackBerry端末(8800シリーズ、Curve、Pearlなど)で利用できるが、今後数カ月以内に対応端末、提供国ともに増える予定だ。

 モバイル検索スピードアップへのもう1つの取り組みとして、Yahoo!はデスクトップWeb検索エンジンに導入したSearch Assist機能をoneSearch 2.0にも組み込んだ。

 この機能はテキストの入力補完を備え、ユーザーが検索キーワードを入力している最中に、頻繁に検索されるキーワードの中から、入力された文字と一致する候補を表示する。入力しようとしている語と一致する候補があれば、ユーザーはそれを選んで検索できる。

 これは、Microsoft Outlookがメッセージの「送信者」欄で電子メールエイリアスの候補を表示するのに似ている。Search Assistは検索語に応じてお勧めリンクも提供する。ユーザーが「Apple」とタイプした場合、AppleのiPhoneなどへのリンクを勧める。

 Search Assistは2日にiPhone向けに提供開始されたが、今後数カ月以内にほかのAjax対応デバイスでも利用できるようになる見込み。

 またYahoo!はこの日、モバイル検索結果をインターネット中のパブリッシャーやデベロッパーに開放すると約束、3月13日に発表したオープン検索環境を推進するという方針を改めて表明した。

 同社は検索結果をオープン化して、パブリッシャーがoneSearchの検索結果にコンテンツを統合し、ユーザーの検索体験を強化できるようにすると語った。それにより、パブリッシャーは自社のコンテンツをモバイル検索でどう表示するかをよりコントロールでき、理想的に行けば、自社サイトへのトラフィックを拡大できる。

 Yahoo!は第2四半期にパートナーとともにオープンな検索結果を提供開始する。

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