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» 2008年04月08日 07時00分 UPDATE

大型書店の書誌検索システム:ユーザーの機動性高め「街の賑わい」を演出 (1/2)

大手書店チェーンの三省堂書店は自社開発した検索システムを核に店内スタッフの作業効率向上、出版社への営業支援などに取り組んでいる。

[ITmedia]

導入前の課題

各店舗には本の在庫確認ができる端末が導入されていたが、携帯電話のサイトからも同様の活用ができないかというニーズが高まっていた。


導入後の効果

一般ユーザーは携帯サイトの活用で、移動中でも欲しい本の在庫状況を確認し、最寄の同社の店舗で購入できるようになる。


ユーザーに負担かけない検索システム

 三省堂書店は、1881(明治14)年創業の老舗書店である。国内に36店舗を擁し、多くの読書家から親しまれている。同社は同業他社と比較しても、早期にITに対する取り組みを手掛けており、今では多くの書店で当たり前のように設置されている、在庫確認用の検索端末などの導入を先駆けて行っている。

 このシステムは一口にいえば、データベースに書誌情報を基礎にして、各店舗の在庫情報を蓄積し、端末によって検索を行うものだが、キーワードを入力してからのレスポンスのスピードなど実際の利用においてユーザーに負担をかけないものにしている。

出版社の書店営業担当者も活発に活用

 同社では、この検索システムを中核にして、店舗内でのスタッフがPDAで在庫情報を入力したり、状況確認を行う仕組みや、PCサイトでも検索が可能な仕組みを開発し、欲しい本をすぐに見つけることができるサービスを徹底させている。

 完全なリアルタイムではないものの、同書店の各店舗では、最新の在庫状況が確認できるわけだが、ユニークなのは、こうした情報をさらに拡大し、販売情報も加えて、契約した出版社などに情報提供を行っている。いくつかのオプションがあるものの、中小企業でも手の届く価格帯でのサービスだ。

 これによって、出版社は三省堂全店の自社刊行物の販売状況、在庫情報を確認することができる。このサービスは同業の書店も契約することができ、東京の神保町などをはじめとする各地の「本の町」の発展にも寄与すると期待されている。

 今回、同社ではこの情報提供サービスを携帯サイトに搭載することを計画し、間もなくサービスインするという。企画事業部部長の児玉好史氏は次のように語る。

 「もともとのインフラは整っているわけですから、基本的には低コストで実現できます。当社と契約いただいている出版社の担当者の方からも、携帯サイトで利用はできないのですか、というお問い合わせもいただいていたんですよ。一般のお客様も含めて外出時に情報収集するのはPCよりも圧倒的に携帯電話です。ニーズに応える意味でも今回の開発は必然的なものでした」

kodama.jpg 三省堂書店 理事 企画事業部 部長 児玉好史氏

 空いた時間にフラッと立ち寄り、本と出会う場所として、バーチャルではなくリアルの書店店舗は今後も利用されていくだろうが、目当ての本を購入するために訪れる客はそれと同様に書店を訪れる。書店の端末で在庫確認をする前に携帯電話であらかじめ在庫を確認していれば、効率的に購入することができる。

 携帯電話のユーザーはあらゆる年齢層に広がっている。ECサイトで情報収集はするが、購入はリアル店舗で、という人はまだまだ多い。移動中の客が早期に在庫情報を得ていれば、店舗への来客も増え、書店が数店集まっている地域であれば、その界隈の賑わいにも貢献できるはずだ。

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