日本IBM、新サーバプラットフォーム「IBM Power Systems」を発表

IBMは、2月に発表された次世代データセンター構想を具体化するサーバプラットフォームを発表した。

» 2008年04月09日 13時26分 公開
[ITmedia]

 日本IBMは4月9日、IBMは2008年2月に発表した「次世代エンタープライズ・データセンター」を具現化する製品を発表した。

 データセンター向けの新プラットフォームとなる「IBM Power Systems」は、同社のSystem i(Powerアーキテクチャ)とSystem p(UNIX)を製品統合したもの。3つのOSの組み合わせでシステムの選択肢を拡大したことが特徴となっている。

IBM Power Systemのハイエンドモデルとなる「IBM Power 595」

 製品を統合化したことにより、約1万5000のアプリケーションを稼働させることができるプラットフォームになったとコメントしており、中小規模を問わずHPC(High Performance Computing)までもカバーするさまざまな規模のシステムに対応が可能。

 IBM Power SystemsはPOWER6プロセッサを搭載するサーバとなるが、3つのOSとしてAIX、IBM i(旧:i5/OS)およびLinuxを自由に選択することができる。また、仮想化機能を提供する「PowerVM Edition」を活用することで、論理区画(LPAR)へ複数のOSを混在する利用が可能だという。

 さらに、上記のOSに加え、オープン環境のサーバやOSを一元管理可能な「IBM Director」にも対応している。これにより、遠隔地からの管理サポートを実現し、複雑なシステム環境を統合管理することができる。

 エコに対する取り組みとして本システムでは、POWER6プロセッサの持つ省電力に加え、サーバの使用電力管理ソフトウェア「IBM Director Active Energy Manager」の活用もポイントの1つとなっている。IBMシステムに組み込まれたエネルギー管理コンポーネントを測定、モニタリング、管理を行うことで効率的なリソース配分を可能としている。

 なお、今回のリリースに併せてIBM Power Systemsのラインアップ拡充を図る4製品も追加発表された。

  • 「IBM Power 595」(右写真):パフォーマンスと拡張性を重視するモデル。POWER6/5GHzのプロセッサやメモリに4TBを搭載している。最大64コアのSMP構成が可能
  • 「IBM Power 575」:独自の冷却技術を用いた高速計算モデル。1フレーム構造に最大で448個のPOWER6/4.7GHzによるクラスター構成を実現。最大で3.5TBのメモリーを搭載可能とし、大容量を必要とする並列処理計算やアルゴリズム計算に特化されたHPC専用モデルとなっている
  • 「IBM Power 550 Express」:サーバ統合やアップグレードに適したモデル。最大で8コア(IBM iを稼働させる場合)の、3.5GHzまたは4.2GHzのPOWER6プロセッサを搭載可能。IBM Power Systemsのミッドレンジモデルとなる
  • 「IBM Power 520 Express」:シリーズ中、廉価でありながらコストパフォーマンスを実現するモデル。最大4コア(IBM iを稼働させる場合)のPOWER6/4.2GHzプロセッサを搭載する。エントリーモデルでありながら高可用性も実現しており、PowerVM Editionを活用する仮想化機能でシステムの柔軟性も実現することができる

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