Salesforce.com、Googleとの提携の前にZohoの獲得に失敗(2/2 ページ)

» 2008年04月18日 08時00分 公開
[Clint Boulton,eWEEK]
eWEEK
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研究開発よりもマーケティングを優先

 「企業が多数の販売スタッフを雇うのは良いことではない。安価なソフトウェアを提供できなくなるからだ」とベゲスナ氏は語る。しかしZohoが非公開会社のままでいることを望んでいることも、両社の考えが一致しない部分であることを同氏は認めている。

 ベゲスナ氏によると、Zohoは多くの企業と同様、「決してあきらめない」という方針で事業を運営しているが、Salesforce.comが近い将来、Zohoに再びアプローチしてくる可能性は低いという。

 同氏はまた、Salesforce.comとGoogleの協業の可能性についても疑問を抱いている。Salesforce.comはエンタープライズ市場にフォーカスしているのに対して、Googleは誰とでも手を組む用意があるからだという。この見方に賛同するアナリストもいる。

 IDCのアナリスト、レイチェル・ハップ氏によると、Salesforce.comは大口顧客も抱えており、大企業が要求するSLA(Service Level Agreement)に対応する必要があるが、Googleは低価格もしくは無償のサービスを求める企業をターゲットにしているという。

 「この違いは両社の関係に緊張をもたらす可能性がある。時間とともに両社の違いがさらに拡大するだろう」とハップ氏は4月14日、eWEEKの取材で語った。「短期的には、Salesforceにとっては宣伝効果になり、製品の幅も広がるだろう。一方、GoogleはApps製品のマーケティングチャネルを新たに獲得することになる」

 Gartnerのアナリスト、トム・オースティン氏が4月14日、eWEEKに語ったところによると、Salesforce.comとGoogleの提携はクラウドコンピューティングをめぐる話題喚起を狙ったものであり、Salesforce.comは長期的なメリットに期待しているという。

 「具体的にどんなメリットがあるのか、はっきりしないが」と同氏は付け加える。

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