Google App Engineを拡張するソリューションが登場(2/2 ページ)

» 2008年04月18日 16時40分 公開
[Darryl K. Taft,eWEEK]
eWEEK
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 「こういったことが当社のサイト(es.cohesiveft.com/site/google-appengine)で可能になる」とカーバン氏は話す。

 カーバン氏によると、これにより、Googleのアカウントを入手できなかった開発者に幾つかの選択肢が提供されるという。Googleからコードをダウンロード、構成することによって手作業で独自のDev Web Serverを構築するという方法もあれば、コードを記述し、それをAppDropサーバ上でテストするという方法もある。また、作成したコードを自分専用のDevWeb Elastic Serverを使ってテストし、EC2上でそれをほかの人と共有することもできる。

 「しかしGoogleは、Amazonとは異なる種類のクラウドだ。Amazonは、Xenベースの仮想コンテナを採用している。これに対してGoogle App Engineは今のところ、Pythonコードを採用しており、専用のSDKを使用する。それでも開発者たちはマッシュアップを始めている。当社の技術とAppDropはいずれも、こういった動きを反映したものだ」とカーパン氏は話す。

 カーパン氏によると、CFTの創業者たちが会社を設立したのは、仮想化、オープンソース、オープン標準、そして緩やかに結び付いたアーキテクチャが、データセンターの本質を変貌させつつあるという大きなトレンドを目の当たりにしたからだという。

 「クラウドコンピューティングは、この変革の表れであると同時に推進力でもある」とカーパン氏は話す。

 「われわれは複数のクラウドが現れると予想していた。これは、複数のOS、複数の仮想化フォーマット、多数のアプリケーションスタックが存在するのと同じである。ユーザーが特定のベンダーの言いなりになるのではなく、自分の気に入った仮想化/クラウド対応サーバを構築することができるプラットフォームとしてElastic Server On-Demandを開発しているのも、それが理由だ」

 さらにカーパン氏によると、CFTのAppEngine Component Portalは、「われわれだけでなく、一般のソフトウェア開発者がElastic Serverプラットフォームを利用することにより、すぐに使える仮想化/クラウド対応サーバを顧客に素早く提供できることを示す一例だ。このポータルは、AppEngine開発者/テスターを支援する目的で立ち上げた」という。

 またカーパン氏は4月14日付のブログ記事で、Google App EngineとAmazon EC2について述べている。「EC2とApp Engineという2つのクラウドはいずれも、低価格、柔軟性、創造性を目指す開発者に多くのものを提供する。複雑なものを追い求める連中は、何もせずに文句を言うだけだが、クラウドを利用する開発者は生き残るだろう。進化の歴史を見てもそうだ。一般に、巨大でエネルギー効率の悪い生物が、敏捷でエネルギー効率の優れた生き物へと進化することはない。巨大な生物は絶滅し、“状況的に”最適な新たな生命体に道を譲るのだ。これはどういう意味かと言えば、例えば、AT&TのSterling Commerceは、コスト、パフォーマンス、速度の面でEC2やApp Engineに太刀打ちできないということだ」

 AppDropとCFTのソリューションはいずれも、開発者の囲い込みという問題にも対処する。フリージャーナリストのベイオ氏は、AppDropについて、Google App Engineプラットフォーム用に開発されたアプリケーションをほかのサービスに移植できないのではないかという心配が杞憂であることを証明する「エレガントなハック」だと説明している。

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