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» 2008年04月21日 14時06分 UPDATE

シャトルワース氏、Ubuntu 8.04リリースのカウントダウンを開始

あと数日でリリース予定のUbuntu 8.04 LTS。大手サーバベンダーからエンジニアリング面でサポートされるようにもなったことで、その存在価値を多くの方が認めるだろうことは想像に難くない。

[Steven-J.-Vaughan-Nichols,Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine

 Ubuntuファンにとって次の記念日は4月24日である。この日、Ubuntu 8.04 LTS(Long Term Support)がリリースされる。開発元の英CanonicalのCEO、マーク・シャトルワース氏はUbuntuの次期バージョンが予定どおりリリースされ、エンタープライズ、デスクトップ、インターネットの各ユーザーに少なからぬものを提供すると確約した。

 あるインタビューの中で、シャトルワース氏は「実は期日を守るという点で、オープンソースのソフトウェアプロジェクトとLinuxディストリビューションはプロプライエタリ企業よりもすぐれているのです」と指摘した(これは既に多くの企業トップが認めるところでもある)。「(特に)今の企業はLinuxとVistaを比較しています。そして、Linuxの方が期待にかなう働きをすることが明らかになっています」

 「期待にかなうという意味では、プロプライエタリのソフトウェアの方が期日を守って出荷できそうな印象があります。トップダウンの組織であり、ビジネスはそう組織されるべきだと多くの人は考えています。ですが、実際にはボトムアップのイノベーションの方がスケジュールに忠実です。これがフリーソフトウェアの本当の名声であり、プロプライエタリ陣営が実現に苦労する課題なのです。(現在では)プロプライエタリのソフトウェアやオペレーティングシステムがいつ正式出荷されるのか知ることは、とても困難です」

 シャトルワース氏にとって、リリース日を守ることは従来になく重要である。というのも、Ubuntu 8.04の目標はエンタープライズサーバのニーズを満たすことだからだ。「Ubuntu 8.04 LTSは、長期間の配備に耐えることを目指しています。サーバ版に関しては、5年間サポートします。デスクトップ版は3年間です。このサポート期間の長さはビジネスにとってきわめて重要です。オペレーティングシステムを気軽に切り替えることはできませんから」

 2006年6月にリリースされた前回のLTS(6.06)とは違い、今回CanonicalはUbuntuのビジネス配備をほぼ単独で進めるわけではない。「大きな違いは、ほかの企業からのサポートがあることです。Sunは、x86サーバ製品ラインでの動作を認定中です。大手ベンダーでははじめての認定となります。プリインストールではありませんが、Linuxの伝統的なスイートスポットであるx86製品ラインで正式に認定され、支援されることから、企業がUbuntuを試してみる機会が増えると期待しています」

 「すべての大手サーバベンダー、つまりIBM、Dell、Sun、Hewlett-Packardが、Ubuntuをエンジニアリング面でサポートするようになりました。基本構成のサーバから高いパフォーマンスが発揮されています」

 このようにデスクトップよりもサーバに狙いをしぼった結果、「ビジネス収益の70%はサーバサポートから得られています。ですので、サーバの採用状況はCanonicalにとって非常に重要です。(同時に)顧客とISV(独立系ソフトウェアベンダー)はUbuntuサーバソフトウェアを求めています」

 シャトルワース氏は、Canonicalが“ポイント”ハードウェア・アップデートをUbuntu 8.04向けに出荷することも明らかにした。このアップデートは、8.04のリリースから3カ月後に開始され、以降は6カ月ごとにリリースされる。これにより、Ubuntu LTSは、チップベンダーから提供される新しいCPU機能をサポートできる。

 これと並行して、Ubuntuの新しいバージョンも引き続き現在のスケジュールでリリースされる。つまり、8.04向けの最初のハードウェアアップデートが7月にリリースされ、次いでUbuntu 8.10が10月にリリースされる。これについて、シャトルワース氏は断言する。「非常に確度の高いリリーススケジュールです。ほかのLinuxディストリビューションも同じようなリリース周期を採用してくれるとうれしいですね。すべてのLinuxディストリビューションにとって大きなメリットになるはずです」

デスクトップ版の開発

 サーバの話題ばかりだが、シャトルワース氏がデスクトップ版を忘れてしまったと思ってはいけない。「Ubuntuを試すユーザーの苦労を軽減するために努力しています」。特にシャトルワース氏はWubiの働きぶりに喜びを覚えている。

 Wubi(翻訳記事)を使うと、Windowsユーザーは(Vistaユーザーでさえ)Ubuntu 8.04を最新のシステムに一般のWindowsアプリケーションと同じようにインストールできる。ブート用CDを作成する必要はなく、ハードディスクのパーティーションを再作成したり、ブートローダを使う必要もない。

 Wubiは、ほとんどのWindowsユーザーが気軽にLinuxを試せるようにしただけでなく、「イノベーションがコミュニティーと周縁部で起こることの完璧な例でもあります。今やWubiはコア開発者に認められ、Ubuntuの主要機能となりました。ほかのディストリビューションがこの機能を採用し、独自の“Wubi”を作成するのを見ることは楽しいですね。Linuxを知るユーザーが増えることは、わたしたちすべてにとってプラスです」

 デジタル著作権管理(DRM)について、シャトルワース氏は「コンテンツ業界がDRMを新しいビジネス市場を阻害するものと認め、特許権のないコーデックを採用する日が来ることを切望」すると語る。さらに「弊社はメディア再生についてできることに多大な努力を傾注しています。ミュージックストアをRhythmboxと統合し、F-SpotをFlickrに統合しました。(さらに)Ubuntu 8.04には、ストリームビデオをMythTVに緊密に統合する機能もあります。これで、Mythの魔力を活用できます。MythTVストリームをUbuntuで表示するために、月の満ち欠けのどの段階で、どのいけにえを捧げるかを知る必要はなくなるのです」

 これらを総合して、UbuntuユーザーはUbuntu 8.04をすぐれたディストリビューションと認めるだろうと、シャトルワース氏は感じている。その用途がビジネスであれ、デスクトップであれ、未経験者にLinuxを紹介することであれ。

Steven J. Vaughan-Nicholsは、PC用オペレーティングシステムとしてCP/M-80が選択され、2BSD UNIXを使うことがクールとされた時代から、テクノロジーおよびそのビジネス利用について執筆活動を続けている。


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