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» 2008年04月24日 15時27分 UPDATE

忙殺される中間管理職、ソフトウェアが救えるか

ドリーム・アーツの山本社長に聞く。アスクルの思い切った「体質改善」などを例に、今後のソフトウェアの在り方を考える。

[聞き手:怒賀新也,ITmedia]

 「中間管理職は忙殺されている。どう解決するかがソフトウェアの役割だ」

 ソフトウェアベンチャー、ドリーム・アーツの山本孝昭社長は指摘する。郵政公社民営化後の日本郵政で、12万人が同社の企業ポータルソフトを利用しているという。山本社長に、これからのソフトウェアの役割について聞いた。

ITmedia ソフトウェア企業の社長の立場から、今後日本企業にはどんなソフトウェアが必要とされると考えますか?

山本 多くの中間管理職は忙殺されています。部下からの相談や上司の要求に日々応えなくてはなりません。上からも下からも仕事を振られることで、じっくり考える時間がなくなっています。これをソフトウェアでいかに解決するかがカギです。会議や顧客訪問といったアナログ時間を良質にすることがソフトウェアの役割です。

 貴重な時間を、作業ではなく、考える時間に充てられるようにする必要があります。例えば会議にしても、30分など決まった時間をなるべく議論の場に使えるようにする。営業データなど議論の前提となる状況などの情報は、事前に分かりやすく共有しておける仕組みをつくる。これが今後のソフトウェアの最も大きな役割と考えており、実際にわれわれの製品コンセプトでもあります。

dreamarts.jpg 「株式公開を以前から視野に入れているが、市場環境が芳しくないため急ぐつもりはない」と話す山本社長

ITmedia これまではなかったのですか?

山本 従来のソフトウェアは、従来100人でやっていたことを2人でできるようになるなど、人件費をはじめとしたコスト削減に注力するものが中心でした。これは大量生産を前提にした企業の論理です。もはや大量生産は日本のものではなくなりました。

 今後のソフトウェアの優劣は、人員削減ではなく、実際に働いている人の仕事のパフォーマンスをいかに高めるかで決まります。連続的に付加価値を生み出す反射神経が、競争力のある企業には求められるのです。そのために体質改善が求められる企業もあります。

ITmedia 例えばどんな企業がありますか?

 オフィス用具を販売するアスクルが典型的な例です。同社は従来、半年に1度、分厚い紙の商品カタログを発行するのが社内の一大イベントでした。社員の多くはこれに向かって仕事をしていましたが、インターネットの普及に伴い、時代遅れになったのは想像に難くありません。現在、カタログからウェブへの移行を進めています。これがまさに体質改善です。

 例えば、オフィスを刷新したい顧客がいたとします。壁紙、芳香剤、便座シートといったパック商品を提案する場合も、これまでは年に2回しかできませんでした。しかし、ウェブなら1年中いつでも提案できます。こうなると、従業員は働き方を変えなくてはやっていけません。

 従来は業務ごとに異なるアプリケーションが乱立し、業務プロセス間で情報が分断されているケースがありました。アスクルはこれをソフトウェアを導入することで、ひと目で情報を共有する体制を構築しています。現場の情報連携がスムーズになり、会議の効率を上げています。

 このように、今いる人がより多くの付加価値を生み出せるようにすることが、今後のソフトウェアの役割と考えています。

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