戻り過ぎは困るけど――わたしの心をリカバリして!悲しき女子ヘルプデスク物語(3/4 ページ)

» 2008年05月01日 08時00分 公開
[鐙貴絵,ITmedia]

 「やっちまった……」と品のない言葉をつぶやきつつ、再び作業を開始した。ああ、できることなら、数分前にタイムスリップして、Deleteキーを押した自分を止めたい。なんとも情けない思いを抱えたままマニュアルのタイトル入力からはじめる。

 1度作っているとはいえ、3日分の書類作成は簡単なものではない。かといっていつまでも脱力感していたって、ファイルは復活しない。仕方がない最初のページから作り直すか……。

画像まで消していたらヤバかった

 唯一の救いは、操作マニュアルに貼りこむキャプチャ画像は別に保存していたことだった。今後もその操作マニュアルに関する資料作成が発生する可能性があったため、基本的な設定画面から重要な画面、各種設定画面などを別フォルダに保存していたのだ。これは涙が出るほどうれしかった。

 今回は作業を進めながら細かくバックアップを取った。徹夜作業で寝とぼけて再び消してしまっては、もう心のリカバリはできない。夜が明けようとする頃、やっと削除してしまった時点に追いついてきた。ここでまたバックアップ。すでにトラウマ状態。ようやく振り出しに戻っただけとはいえ、こういうときの集中力ってスゴいと思う。もっとも、普段からこのペースで仕事していたら体が持たないだろうけど。

 始業時間を迎える頃、仕上がった操作マニュアルをなんとか上司に提出できた。と同時に完全に燃え尽きてしまったわたしは、午後から早退を決め込んだのである。

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