日本HP、サーバ組み込み型仮想化ソリューションを発表

日本HPは、仮想化ソフトウェアがインストールされたUSBスティックをHP ProLiantサーバに装着し、サーバ組み込み型仮想化ソリューションとして提供開始する。

» 2008年05月07日 18時13分 公開
[ITmedia]
「仮想化は導入期から活用期に入った」と日本HP ISSビジネス本部 木村剛氏

 日本ヒューレット・パッカード(以下、日本HP)は5月7日、仮想化ソフトウェア(VMware ESXi)を内蔵したUSBデバイスとHP ProLiantサーバの組み合わせで提供される仮想化ソリューション「HP ProLiant iVirtualization powered by VMware ESXi」を発表し、報道陣に説明を行った。

 HP ProLiant iVirtualizationは、Citrix XenServerMicrosoft Hyper-Vにも対応予定となっており、将来的には全3ラインアップでの提供となる見込み。

 同ソリューションは、「仮想化環境特有の作業から、企業のIT担当者を解放する」(日本HP ISSビジネス本部 木村剛氏)というコンセプトでリリースされる。具体的には、HP ProLiantサーバ(用途に応じて選択可能)に仮想化ソフトウェアをブート可能なUSBスティックを装着し提供することで、仮想化ソフトウェアのインストールや初期設定、ライセンスファイルの適用、仮想サーバの作成といったユーザーの負荷を取り除けるという。選択可能なサーバ種別は、タワー型がHP ProLiant ML370、ラックマウント型がHP ProLiant DL380/DL385/DL580/DL585、ブレード型はHP ProLinat BL460c/BL465c/BL480c/BL680c/BL685cとなる。

iVirtualizationの仕組み(写真左)。サーバの基板にUSBスティックが装着された状態で出荷される(写真右)

 HP ProLiant iVirtualizationでは、物理環境と仮想環境のシームレスな監視/管理を実現する「HP ProLiant Essentials Virtual Machine Management Pack」および物理・仮想間におけるサーバ環境の移行を支援する「HP Server Migration Pack」などの運用支援ソフトウェアを利用できる。これにより、大量の仮想サーバが稼働する環境でも運用負荷を抑えられるという。

 保守については、HP ProLiantサーバ、仮想化ソフトウェア、仮想環境上のOSについて日本HPがサポートする。日本HPでは、「障害の切り分けを含め、一括で保守サービスを提供することがユーザーの利便性につながる」(木村氏)としている。

 HP ProLiant iVirtualization powered by VMware ESXiの価格は次の通り。

製品名 価格 出荷開始時期
VMware ESXi 3.5 for HP ProLiant Standalone 3万9900円(税込) 5月下旬
VMware ESXi 3.5 for HP ProLiant Enterprise 79万8000円(税込) 5月下旬

 同時に、日本HPがOEM販売する「VMware Infrastructure 3」のライセンス料金が引き下げられる。Standardでは、従来の63万円(税込、以下同)がバンドルツールを外すことで44万1000円に、Enterpriseでは統合管理ソフトウェアスイート「HP ICE(Insight Control Environment)」をバンドルしながらも96万6000円から88万2000円に値下げされる。さらに、仮想クライアントソリューションとして「VMware Virtual Desktop Infrastructure」専用ライセンスの販売と環境構築サービスを開始する。200ユーザー分のライセンスをVDI専用バンドルライセンスで購入すると、従来の884万円に対し400万円と、半額以下になるという。

 同社では、「仮想化用途で導入されるHP ProLiantサーバの割合は、出荷量に対し5%程度と認識している。今回のソリューションでこの比率を20%近くまで引き上げ、HP ProLiantサーバの出荷量自体も伸ばしたい」(日本HP ISSビジネス本部 赤井氏)とした。

関連キーワード

HP | Hyper-V | ProLiant | VMware | Xen


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ