社内システムと連携させて業務情報を見える化購買総合支援企業の営業管理(2/2 ページ)

» 2008年05月08日 08時59分 公開
[ITmedia]
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基幹システムと連携

 導入後は各営業担当者の行動が見える化され、誰が何をしているのかが分かるようになった。ただ、同社では「Salesforce」を会社が個人を管理するツールではなく、社員が自己管理するためのツールとして位置づけている。

ディーコープ 購買開発本部事業戦略部 マネジャー代行 米泉武氏

 「過去の案件においてトップ営業マンがどんなアプローチをしているのかという行動パターンを見れば、自分の行動と照らし合わせて何かしらの気づきがあるはず。見える化されたことでマネジャーが楽になる部分もありますが、むしろ現場が自分の行動を変えるために使ってほしい」と鈴木氏。

 見える化を進めるために、同社はさらにSalesforceの活用を進めている。06年5月に、ノーツを利用していた案件管理をSalesforceへと移行。もともとノーツをRDB化しようと模索したところで、約半年間、何も進んでいない状況だったが、Salesforceを活用することで2カ月で稼働できた。自社で開発を続けていたケースと比べると、開発期間は約5分の1で済む計算になるという。

 また、他のシステムともEAIツールで連携させて、情報を集約。例えば「見積@Dee」に入力された商談情報はSalesforceに流れ込み、さらにSalesforce上の計上データはERPシステムへ反映される。さらに現在は、ERPの情報をSalesforceに反映させる逆の流れの連携を作っているところだとか。最も使い勝手のいい便利なツールで他のシステムの情報を閲覧することができれば、業務効率はさらにアップするはずだ。ここまでSales forceと他システムとの連携はスムーズに進んでおり、データのやり取りにも問題は起こっていないという。単独利用だけでなく、他システムとの親和性も高いということが、同社の取り組みで証明された格好だ。

 「もはやSalesforceはSFAというより、当社の基幹システムといっていいでしょう」と、鈴木氏が寄せる期待も大きい。今後、同社がどのように活用を広げていくのか、注目しておきたい。

基幹システムとの連携概念図

導入効果を聞く 社内の他システムともスムーズに連携

ITmedia Salesforceを選んだ理由は?

鈴木 情報共有だけならグループウェアでもいいのでは、という議論も社内でありましたが、トップ営業マンの行動パターンを見える化させて営業全体の底上げを図るという目標を達成するには、純粋なSFAのコンセプトに基づいたアプリケーションでなければ難しいという結論に。なかでもSalesforceは、オンデマンドでありながらカスタマイズがやりやすいことがずば抜けていました。

ITmedia 案件管理にも活用し始めたとか。

鈴木 以前はデータベースソフトを活用した仕組みを作って案件管理を行っていましたが、06年5月にSales forceに移行。当初は、以前できていた細かな入力チェックができなかったのですが、新バージョンで、その問題もクリア。このように困っていた点を、頻繁にバージョンアップして解決してくれるのも魅力でした。

ITmedia 他システムとの連携で苦労した点はありますか?

米泉 連携には、インフォテリア社のEAIツールを使いました。もともとこのツールを使っていて習熟していたこともあり、スムーズに連携できましたよ。

ITmedia 今後の展開は?

米泉 現在は、会計システムの情報をSalesforceに流し込む連携を作っているところです。他にお客様に提供している自社のシステムなどもありますので、今後はさらに連携を進めていきたいですね。

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