従業員教育の需要増加 e-ラーニング市場の規模拡大

矢野経済研究所は、e-ラーニングサービス提供者を対象に2008年2月〜4月に実施した調査の結果を発表した。

» 2008年05月08日 10時50分 公開
[藤田恵司,ITmedia]

 矢野経済研究所は、e-ラーニングサービス提供者を対象に2008年2月〜4月に実施した調査の結果を発表した。これによると、e-ラーニングサービスの市場規模は前年度比7.8%増の1341億円に拡大した。分野別に見ると、B2B市場は前年度比5.9%増の540億円となった。

 B2Bの市場規模拡大の背景には、内部統制、コンプライアンス(法令順守)、CSR(企業の社会的責任)、情報セキュリティなど、全社員向けコンテンツの需要増加がある。LMS(ラーニング・マネジメント・システム)については導入が一巡したことなどにより売り上げ規模の伸びが鈍化しており、より単価が安く、手軽に導入できるASPへのシフトが進んでいるという。特に、業種や業態など、受講する社員のニーズに合わせたカスタマイズ需要が高まっている。

 2008年度の予測として、B2Bのe-ラーニングサービス市場はまだ伸びる見通しを示した。

 今回の調査では、B2Bのe-ラーニングサービスとして、ネットワークを介した法人(もしくは企業内個人)対象の教育サービス、そのサービスを支援するシステム、パッケージソフトウェア、コンテンツ、さらにそれらの導入、運用に関するコンサルティングやシステム保守の3つに分類している。

 調査対象はe-ラーニングシステム開発・構築・販売事業者、e-ラーニングコンテンツ開発・製作・販売事業者、e-ラーニングを介した研修や講義を提供・運営する事業者(具体的には、塾、語学学校、研修事業者など)、学習ソフトウェア開発・製作・販売事業者など。調査は2008年2月〜4月の間に、矢野経済研究所の専門研究員による面接取材及び、電話・FAXによるヒアリングを併用して行われた。

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