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» 2008年05月12日 08時00分 UPDATE

グリーンITや運用改善に効果大:データセンターのサービス向上にはサーバ統合が不可欠 (1/2)

松下電工インフォメーションシステムズでは、サーバ統合の取り組みを通じ、物理的なスペースや消費電力の削減はもちろん、運用の標準化で運用効率やサービス品質も高まったという。

[岡田靖,ITmedia]

目指したのは、アプリケーションとインフラの完全分離

mitanaka.jpg 松下電工インフォメーションシステムズ 執行役員 IDCビジネス本部長 田中啓介氏

 松下電工インフォメーションシステムズは、1999年に松下電工の情報システム部門が独立して誕生した情報サービス企業。松下電工の基幹系・情報系システムはもちろん、ほかの顧客企業へのサービスも広く展開している。その事業内容も、コンサルティングからシステムインテグレーション、アウトソーシング、ネットワークソリューションまで幅広い。

 「当社のデータセンターでは、松下電工をはじめとする顧客各社のサーバ約1300台を預かっています。そのサーバを管理する中では、アプリケーション開発部隊が運用に関わるケースも多く、問題となっていました」と語るのは、松下電工インフォメーションシステムズ執行役員 IDCビジネス本部長の田中啓介氏。

 多様な顧客のニーズに合わせるため、システム構築の際には、そのニーズに応じたインフラを採用する。しかし、各システムで異なるサーバ、OS、ミドルウェアが用いられているため、運用手順が違ってくる。運用部門が全てを管理することは非常に困難であった。システムトラブルやセキュリティパッチ適用の際などにも、運用部門だけでは対応できず、しばしば開発担当者を呼び出さねばならなかったという。しかも、近年では基幹系システムでオープン系サーバが広く用いられるようになってきたこともあり、こうした問題は拡大傾向にある。

 「本来なら、開発者は開発に専念してほしいのです。少なくとも、OSのセキュリティパッチなど、インフラのレベルの運用は運用部門に任せるべき」(田中氏)と、この問題を解決すべく同社の経営判断が下った。

 同社が選んだ解決策は、サーバやOS、ネットワーク構成基盤を統一し、運用手順を標準化することで運用品質を高めるという方法だ。システム構築時の選択肢を限定することになるが、数多くの顧客を抱える中では、複数のレベルでメニュー化すれば、ニーズに応じた可用性やコストでシステム基盤を提供することが可能となる。まずは、基幹系システムでの標準インフラ策定に取り掛かった。

求めたのは、サーバのフェイルオーバーまで含めた高可用性

miyagi.jpg 松下電工インフォメーションシステムズ IDCビジネス本部 サーバーソリューション事業部 八木洋至氏

 2006年の春先、松下電工インフォメーションシステムズは標準インフラ策定を開始した。ちょうど、同社の最大の顧客である松下電工の基幹系システムをリニューアルするプロジェクトが進められており、まずはそこで採用するという計画である。

 松下電工インフォメーションシステムズ IDCビジネス本部 サーバーソリューション事業部の八木洋至氏は、「選択の際、最も重視したのは可用性です」と語る。かつてメインフレームを使っていたような大規模かつミッションクリティカルなシステムに適用するため、可用性が最大のポイントになったというわけだ。

 「基本的な信頼性はもちろん、ハードウェア障害時にどれだけ短時間でフェイルオーバーできるかという点も考慮しました。エンドユーザーが気付かぬくらい短時間でフェイルオーバーできることが理想と考えていたのです。また、システムイメージを退避・復元・新規サーバへ適用するといった柔軟な運用が可能であること、一元管理できる運用管理ツールが提供されることなども必要でした」(八木氏)

 さらに、社内の共通基盤として用意されているSANインフラを活用することも条件であった。同社では数年前にストレージ統合を行い、大規模なSAN環境を整備している。このSANを利用すれば、サーバとストレージの管理を切り分けることができ、サーバのフェイルオーバーやイメージ運用も容易に行える。

 松下電工インフォメーションシステムズの要請に対し、提案を行ったのは5社。うち1社は机上検討段階で落ちたが、残る4社は実機での検証を行った。1社はメーカーの検証センターを利用、3社は評価導入して自社内で検証したという。実際のパフォーマンスや実運用上の制約条件など、細かな部分にまで踏み込んだ検証が春から秋にかけて行われ、最終的にイージェネラ社の「BladeFrame」が選ばれた。

 最重要とされたフェイルオーバー時間は、他社が10分から40分であったのに対し、BladeFrameでは5分以内と高い成績だった。また、柔軟なイメージ運用や管理ツール、マルチベンダーの外部ストレージ対応などといった条件でも高い評価だったという。総合的に「×」がつけられた項目はなく、「△」となった項目も他社より少なかったとのこと。

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