SAPのクルズ氏は、同社の年次カンファレンス「SAPPHIRE 08 Orlando」で発表したBlackBerryとSAPのCRMアプリケーション連携について、デモンストレーションを交えて操作性などを紹介した。
クルズ氏は冒頭、「企業はビジネスアプリケーションの開発に膨大な金額を投じているが、モバイルシステムがアプリケーションの価値を最大限に引き出すことをぜひ知っていただきたい」と述べた。
デモンストレーションでは、BlackBerryにインストールされたSAP CRM上のタブを切り替えるだけで、グラフによるリポートや見込み客リスト、案件進捗の閲覧・入力、商談スケジュールの管理ができる様子を実演。端末中央のトラックボールを片手で操作するだけで、ゲームや電子メール閲覧のような感覚で必要な業務情報を瞬時に呼び出せる手軽さを協調した。
「過去10年間を振り返ると、モバイル端末上でビジネスアプリケーションを本格的に動かすのは困難な時代だったが、(SAPの取り組みで)今は手元で快適に動かせる時代になった」(同氏)
クルズ氏は、今後のモバイルソリューションを進化させるキーワードとして「接続性」「マルチメディア」「GPS」「SNS」の4つを挙げた。キャリアの通信網だけでなく、WiFiやBluetoothも併用した接続性の強化、マルチメディアデータを活用したオンデマンドでのe-ラーニング、GPSによるリアルタイムのプレゼンス情報、SNSでのコラボレーション環境の拡充などが、モバイルを利用する企業の価値をさらに高めるという。
同氏は最後に「モバイルは、ノートPCと比べてすぐに起動でき、すぐにレスポンスも返せる。この利便性に勝るものはないだろう」と、企業のモバイル化に対する期待感を述べた。
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