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» 2008年05月14日 16時12分 UPDATE

研究者を結ぶソーシャルネットワーク、研究開発団地で発足

米ペンシルベニア州ハーシーのリサーチパークが、研究者が相互に、また外部者と交流できるソーシャルネットワークの開設を発表する。

[Clint Boulton,eWEEK]
eWEEK

 ソーシャルネットワークは企業の営業部門で利用が進んでいるが、いわゆるエンタープライズ2.0はほかの分野でも活発に導入されている。

 例えば、世界的製薬会社の米Pfizerでは、2006年に社員ブログの運営が開始された。その立ち上げには同社のエンタープライズ2.0技術開発担当マネジャー、サイモン・レベル氏の取り組みが貢献した。

 このブログから発展したのが同社のWiki「Pfizerpedia」だ。今ではレベル氏は、Pfizerの数千人の社員のためにRSSフィード、タグ、ブックマーク、ソーシャルネットワークの設計を行っている。

 このことからすれば、レベル氏が5月14日、「HCAR KnowledgeMesh」の開設発表イベントで基調講演をするのは適任だ。HCAR KnowledgeMeshは、米ペンシルベニア州ハーシーにあるリサーチパーク(研究開発団地)「Hershey Center for Applied Research」(HCAR)におけるライフサイエンスとハイテク分野の研究開発促進を目的とした研究者向けソーシャルネットワークだ。

 レベル氏は、Web2.0ベースのソーシャルソフトをどのように活用すれば、ビジネス開発と研究のシナジーを通じて科学技術の発展を刺激できるかを論じる計画だ。

 HCARのエグゼクティブディレクター、ローラ・ブッチャー氏はeWEEKの取材に対し、KnowledgeMeshは、業界、学界、政府、ベンチャーキャピタル、労働者、知財弁護士の相互交流の創出と向上を目指して設計されていると述べた。また同氏は、このツールがHCARの成長を支えることを期待しているという。

 HCARは、「ウェットラボ」(生物・化学系研究施設)、「ドライラボ」(コンピュータ解析などの研究施設)、オフィススペースを研究者に提供するが、同様に重要なのが、HCARの入居機関が世界中の研究所と競争できるようにビジネスサービスおよびリソースへのアクセスを用意することだ、とブッチャー氏は語った。

「LinkedIn」に似たインタフェースでリソースへのアクセスを支援

 ソーシャルネットワークは、研究者と彼らが求めるリソースを橋渡しする。さらに、ソーシャルツールは、外部者が通常なら接点のない研究者と協力することを可能にする。

 KnowledgeMeshでは、Intelmarxが開発したプロフィール機能やWiki、そのほかのツールが用意される。同社は非営利団体や高等教育機関向けのソーシャルソフトウェアを提供するベンダーだ。

 Intelmarxのジョージ・サカンディCEOによると、KnowledgeMeshの参加者がセットアップするプロフィールは、見た目に関しては、人気のビジネス向けソーシャルネットワーキングサービス(SNS)「LinkedIn」のようなものになる。ユーザーはプロフィールに自分の経歴や、取り組んでいる目標、研究プロジェクトを掲載できる。また、ユーザーはブログを運営し、キーワードで検索されるようにすべての内容にタグを付けることができる。例えば、微生物学の研究を探すベンチャーキャピタルはキーワード検索により、微生物学のタグが付いたブログを見つけられる。さらに、ユーザーはプロフィール経由でチャットによるコミュニケーションができる。

 HCARの各入居機関ごとにWikiが設置されるが、KnowledgeMeshへの参加は任意となっている。KnowledgeMeshをホスティングするIntelmarxは、1000ユーザーに対応できる構成で運用を開始する。

海を越えて連携するPfizerの各チーム

 ブッチャー氏は、レベル氏に発表イベントでの講演を依頼したのは、Pfizerでソーシャルコラボレーションソフトの活用を成功させた立役者だからだと語った。

 Intelmarxが実装したKnowledgeMeshを最近見たレベル氏は13日、eWEEKの取材に対し、KnowledgeMeshは正しい方向に向かっているようだと述べた。英国在住のレベル氏は、2年前にPfizerでソーシャルネットワーク技術の導入を始めたが、それは当初は、米国の同僚とのコミュニケーションを良くするために、仕事仲間と取り組んだ草の根活動だったという。

 「わたしはいつも、米国系企業にいるために、特定のことで蚊帳の外に置かれているような気がしていた。また時には、米国で行われているいろいろなプロジェクトの話を聞いて、そういうことに関してなら自分も貢献できると思うこともあった」とレベル氏。「われわれがこの手のコラボレーション技術を活用できれば、わたしのように、プロジェクトが運営されている場に物理的にいない人でも、協力できるようになる。わたしはそう考えた」

 レベル氏はアイデアを実現し、今では、エンタープライズ2.0技術を特定のビジネス部門や業務に応用する多数のプロジェクトに携わっている。同氏は6月11日にも、ボストンで開催のエンタープライズ2.0に関するカンファレンスで、Pfizerでどのようにソーシャルソフトの活用を進めているかを講演する。

原文へのリンク

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