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» 2008年05月19日 08時00分 UPDATE

ITIL Managerの視点から:初めてのサービスレベルアグリーメント【その3】 (1/2)

SLAを支援する文書として、OLA(Operational Level Agreement)およびUC(Underpinning Contract)を紹介する。

[谷誠之,ITmedia]

SLAを支援するOLA、UC

 今回注目したいのは、オペレーショナルレベルアグリーメント(OLA)と請負契約(UC)である。

 まずはOLAから解説する。「OLA(Operational Level Agreement)」は組織内SLAとも言われる。SLAを順守するためにプロバイダ内部で取り決めた合意文書のことである。プロバイダ内での各担当者の責任と役割、連絡網、組織構成などを含む。

 要は、SLAを守るためにプロバイダとして何ができるか、ということを書いたものである。そこには大きく2つの内容が盛り込まれることになる。


1 サービスレベル目標

サービスレベル目標は、各ITサービスが、どの程度のサービスレベルで提供されるかということの目標値を設定したものである。SLAのサービス要件は可能な限りビジネスに近い形で書くのに対し、OLAに含まれるサービスレベル目標はできるだけITに近い形で記述する。つまり、そこには翻訳が必要である。SLAに発注処理のトラブルは、24時間以内に解決することを目標とすると書かれていれば、OLAではそれをITレベルに翻訳し、ネットワークの負荷が80%を超える状態が1時間以上連続しないことデータベースサーバがダウンしたことは1時間以内に通知されることといった細かい規定が定められる。

2 責任範疇

プロバイダ内部で、誰がどんな責任を果たすのか、ということである。とはいえ理想は、属人的になってはならない、ということである。このヒトがいなければ何も進まない、ということがないよう、手順の文書化が重要である。

請負契約

 次に請負契約である。「請負契約(UC:Underpinning Contract)」は、SLAを順守するためにプロバイダと社外のサプライヤとの間で取り決めた合意文書のことである。一般的には、この文書のことをSLAと呼ぶことが多い。社内のプロバイダ(=IT部門)と顧客(=意思決定者、たいていは部署そのものや部署のマネージャ層、経営者など)との間でSLAを交わすというのはITIL的な発想である。

 OLAや請負契約は、顧客とプロバイダとの間で合意したSLAを順守することをサポートしなければならない。そのためには、SLAで合意したサービスレベル以上のものが、OLAや請負契約で設定されている必要がある。例えば、SLAに「ネットワークトラブルは24時間対応する」と書いてあるのに、WAN回線を提供しているサプライヤとの請負契約の事項に「トラブル対応は午前9時から午後6時まで」と書いてあるのでは、SLAを順守することは難しい。

sla.jpg SLA、OLA、UCの関係
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