Googleがフォーカスする3つの「C」

GoogleのI/Oデベロッパーカンファレンスは、cloud(クラウド)、client(クライアント)、connectivity(接続性)に重点を置く。

» 2008年05月29日 12時14分 公開
[Darryl K. Taft,eWEEK]
eWEEK

 今週のGoogle I/Oデベロッパーカンファレンスは、「3つのC」と言われそうな3分野――cloud(クラウド)、client(クライアント)、connectivity(接続性)――に焦点を当てたものになる見込みだ。

 「今年はGoogleが独自のデベロッパープログラムを掲げて参加する年だ」とGoogleのエンジニアリング担当副社長ビック・ガンドトラ氏はeWEEKの取材に応えて語った。

 この大げさな発言は、Microsoftで15年過ごし、デベロッパー獲得戦略の向上を支援してきた人物によるものだ。ガンドトラ氏はMicrosoftでプラットフォームエバンジェリズム担当ジェネラルマネジャーを務めた後、2007年6月にGoogleに入社した。

 同氏は、Googleのデベロッパー取り込み策をMicrosoftと比較して、Googleが提供するものは「Googleがコントロールしていない」オープンなWebプラットフォームに基づいている点で少々異なると指摘する。「その方がずっとハッピーで、デベロッパーとの関係の色合いも変わる。正しい側にいることは常に楽しい」

 同氏は、GoogleがWebを前進させようとしているやり方は3つあり、それは5月28〜29日にサンフランシスコで開催されるGoogle I/Oカンファレンスの中核分野になると語る。

 最初の分野はクラウドだ。ガンドトラ氏は、メインフレーム時代は中央管理コンピューティングの1つであり、PC時代の到来とともに状況は反転したと語る。だが「インターネット時代ではそれに逆行した――興味深いアプリケーションはクラウドコンピューティングを必要とする」と同氏は言う。「当社のイニシアチブの1つは、クラウドをもっと利用しやすくすることだ。Google App Engineは力をデベロッパーの手に戻す」

 Google App Engineは、デベロッパーが自分のWebアプリケーションをGoogleのインフラで動かせるようにする。同サービスはGoogle I/Oの重点分野の1つだと同氏は語る。

 2つ目の重点はクライアントだとガンドトラ氏は話す。「われわれは、ブラウザによってシンプルな配備モデルに戻ると主張してきた」と同氏。「デベロッパーにブラウザの配備の容易さを手にしてもらいたいが、彼らにもっとリッチアプリケーションを配信する力も持たせたい」

 3つ目は接続性、特にクライアントとクラウドの接続性だと同氏は言う。

 「特にどのエンドポイントを目指すかという点に関して、接続性はデベロッパーにとって大きな問題だ」と同氏。「例えば、携帯電話市場は分断されており、われわれはGoogleがすべての携帯電話のブラウザの力を高めるために何ができるのかを考えている」

 同氏は、オープンでフリーなモバイルプラットフォームを実現するためのGoogle Androidを挙げた。

 Google I/Oは同社の2回目の大規模デベロッパーイベント。昨年のGoogle Developer Day 2007で、同社はオフラインWebアプリケーションを開発するための技術Google Gearsを発表した。

 「今年は初めてこれをGoogle I/Oと呼んでいる。Googleのプレミアデベロッパーイベントだ」とガンドトラ氏。Googleは当初、参加者を最高1500人と予想していたが、その数は2500人以上に膨らんだ。

 「この1年、デベロッパー関係で非常に忙しかった」と同氏は言う。「このカンファレンスでは、一歩退いて全容を見ることができる」

 「Web生まれ」の企業として、Googleは「Windows、Mac、Palmなどのソフトウェアの王」がはまった罠を避けることができたと同氏は語る。GoogleのプラットフォームはWebと同様に、「コンセンサスで形成され、採用されることで台頭した」からだという。

 「Googlegはおそらくほかのどの企業よりも、オープンWebから恩恵を受けている」(同氏)

Editorial items that were originally published in the U.S. Edition of “eWEEK” are the copyrighted property of Ziff Davis Enterprise Inc. Copyright (c) 2011. All Rights Reserved.

注目のテーマ