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» 2008年06月03日 07時00分 UPDATE

Google Appsは成功するのか? :「GoogleはSalesforceを買収すべし」――アナリストが提言

The 451 Groupは「GoogleがMicrosoftを打ち負かすには、もっと大きく考えなければならない」と指摘する。

[Clint Boulton,eWEEK]
eWEEK

 業界調査会社のThe 451 Groupによると、GoogleのAppsビジネスは狙いを達成しておらず、「同社はSalesforce.comを買収すべきだ」という。買収金額は105億ドルになる可能性があるとしている。

 The 451 Groupのアナリスト、ブレノン・デイリー氏とチャイナ・マーテンズ氏が5月29日に発表したリポートによると、GoogleとSalesforce.comが最近結んだ提携は奏功していないという。この提携は、SaaS(Software as a Service)ベンダーであるSalesforce.comの100万社の有料会員がGoogle Appsを無償で利用できるようにするというもの。

 4月14日に発表された「Salesforce for Google Apps」は、Salesforce.comの顧客(企業の販売、マーケティング、サポートなどの部門)がGmail、Google Talk、Google CalendarおよびGoogle Docsアプリケーション(表計算、プレゼンテーション、ワープロ)をSalesforce.comのプラットフォーム内で利用できるようになる。

 しかし両アナリストは、「この提携はGoogleにとってほとんどメリットにならない」と主張している。Salesforce.comの販売スタッフにはGoogle Appsを推進するインセンティブが与えられていないからだ。

 「彼らはSalesforce.comのソフトウェアを販売することで報酬を得ており、それがどんなソフトウェアと連携しているかは関係がない」と両氏は述べている。「何百シートものSalesforce.comのSFA(営業支援)モジュールを販売することで多額のコミッションを手に入れる販売担当者にとって、無関係の製品を売り込むためのインセンティブはないに等しい」(両氏)

 両アナリストは、Google幹部がこの点を見落としていたこと、あるいは「少なくともGoogle AppsがいずれSalesforce.comの販売チャネルで売れるだろう」と見込み違いしていたことを批判している。「GoogleがSalesforce.comのチャネルをコントロールするには、Salesforce.comをコントロールしなければならない」というのが両氏の結論だ。

 両アナリストはリポートの中で、Googleがパートナー(Salesforce.com)に買収を仕掛けるのは時間の問題だとする見解を述べている。

 そのコストはどれくらいになるのだろうか。両氏によると、Salesforce.comの時価総額85億ドルと、Googleの株主資本利益率に基づく23%のプレミアムを考え併せて推定すれば、買収金額は約105億ドルになるという。

 「Googleは手持ちの現金および現金相当物で支払っても、まだ資金にゆとりがある」と彼らは記している。

 Microsoftが自社のCRM(顧客管理)製品の位置付けに苦労している中で、Googleはこの買収により、市場をリードするSaaS型CRMソリューションを手に入れるだけでなく、Google Checkoutを通じてアプリケーションを販売するためにSalesforce.comのAppExchangeビジネスを利用することもできる。

 両アナリストによると、Google Appsには1日当たり3000ユーザーが登録しているものの、このコラボレーションソフトウェアはGoogleの狙い通りの成果を上げていない。Google Apps Premier Editionの価格は1ユーザーにつき年額50ドルであり、この市場に風穴を開けるだけの大きな売り上げを従業員が5〜30人程度の規模の企業から確保することはできないという。

 「クラウドコンピューティングがホットな話題になっているが、市場を支配する巨大メーカーのMicrosoftにそれで対抗することはできない。同社のプロダクティビティスイートのOfficeは75%という営業利益率を確保しているのだ」とThe 451 Groupは指摘する。

 またGoogleは、SaaS型BI(ビジネスインテリジェンス)プロバイダーのPanorama Softwareを買収するのではないかとみられている。しかしアプリケーション分野でGoogleがこれまで行った買収(Postiniなど)と同様、Panoramaの買収もエンタープライズ向けアプリケーションの森にそびえる「カシの大木(Microsoft)」を切り倒すのにチェーンソーではなく斧を持ち出すようなものだ。

 検索エンジン企業のGoogleがエンタープライズ市場のプレーヤーになりたいのであれば、「大きなものを買う必要がある」とデイリー氏とマーテンズ氏は結論として述べている。「Salesforce.comを買収することにより、Googleは真のプラットフォームをついに手に入れることになる。これは、同社がMicrosoft Officeだけでなく、コンテンツ管理やBIなどの製品を追いかけることを後押しするものになるだろう」(両氏)

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