データ Matters――情報経済における価値Informatica World 2008 Report(2/3 ページ)

» 2008年06月04日 17時35分 公開
[怒賀新也,ITmedia]

多彩な新機能

 基調講演では、PowerCenterの最新版を含む「Informatica8.6」が紹介された。

 Informatica8.6を利用すると、リアルタイムデータ統合、サービスとしての統合機能(Integration-as-a-service)、企業間でのデータ交換、データ入力時のプロアクティブなデータ品質保持などが可能になる。

パンチャ氏

 新機能を紹介したデータ統合部門の上級副社長、ギリシュ・パンチャ氏が特に強調したのがリアルタイムのデータ統合機能「PowerCenter Realtime Edition」だ。あらゆるデータソースについて、新しいデータの入力の有無を常時確認し、トランザクションデータとして処理することで、いつも最新のデータをシステムで扱えるようになる。

 コンピューターゲーム販売の米国大手、Electronic ArtsはRealtime Editionによって、常に最新のデータが得られるようになり、需要予測などの精度が上がったという。結果として数百万ドルの価値があったと説明している。

オンデマンド型のデータ統合

 サービスとしてのデータ統合(Integration-as-a-service)も注目の機能だ。この日、同社のSaaS(サービスとしてのソフトウェア)型のデータローダー「Informatica On Demand」の3回目のリリースを明らかにした。新サービスにより、自社運用型のシステムで運用しているデータとsalesforce.com上で管理しているデータを、ビジネスユーザーが簡単に統合できるようになる。

 米カリフォルニア州サンディエゴのIT企業、Illuminaの上級CRMアナリストを務めるマルシオ・デル・リオ氏は「以前はスクリプトを書いてローカルのデータベースからデータを抽出し、成型して、時間を決めてsalesforce.com側に入力していた」と話す。データのクレンジング、同期化、査定など品質管理には手間が掛かる。

 「Informatica On Demandのデータロードサービスにより、ただブラウザ上で操作するだけであらゆるデータを統合できるようになった。このサービスはsalesforce.comを利用するわれわれの顧客の使い勝手を格段に高めた。本当の意味ですべての作業をオンデマンドでできるようになった」(同氏)

 データロード用のハードウェアを購入したり、システム管理者を雇用したりせずに、データ統合できるのもユーザーの大きな利点という。

 新機能はsalesforce.comが独立系ソフトウェアベンダー(ISV)向けに、salesforce.com上で動作するソフトウェアの構築を促す開発基盤「Appexchange」上で構築している。

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