プラットフォームからサービスまで、日本ユニシスがSaaS事業を展開へAmazonの施設も活用

日本ユニシスはSaaS事業をスタートする。仮想化を進めたデータセンターを利用し、プラットフォーム構築からサービス化、運営の支援までをワンストップで提供する。

» 2008年06月04日 21時02分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 日本ユニシスは6月4日、SaaS(Software as a Service)事業を開始すると発表した。同事業用として新たに構築する「次世代データセンター」を利用し、自社およびソフトウェアベンダー各社の製品をSasS展開するほか、SaaS展開に必要な開発から運営までを支援するサービスをワンストップで提供する。

 同社は、新たに日本HPとシスコシステムズ、ネットアップと提携。次世代データセンターは各社の仮想化ソリューションをベースに最新鋭のシステムを供えるものになるという。さらに米Amazon.comとも提携し、Amazonの仮想データセンターサービス「Amazon Web Service」もSaaSプラットフォームとして活用していく。

角氏

 SaaS事業を担当する角泰志常務は、「運用の自動化を進め、拡張性や信頼性の高い設備になる。Amazonのサービスは補完的に利用していく」と説明。Amazonの選定理由については、「規模や設備面でベストだと判断した」(同氏)としている。

 日本ユニシスでは、次世代データセンターを利用して同社が提供する教育分野向けソリューション「RENANDI」や物流、企業向けコミュニケーションなどのサービスを展開するほか、ソフトウェアベンダー(ISV)の参加を募り、各社のCRM(顧客管理)やSFA(営業支援)、ERPなどのサービスも展開する。

 SaaSとして運営していくためには、契約、認証、課金、決済、サポート、マーケティングといった要素が必要になる。日本ユニシスはきっとエイエスピーと提携し、これらの要素を包括したPaaS(Platform as a Service)ソリューションを導入。ISVがソフトウェアをSaaSとして展開していくための支援を行う。

SaaS事業の全体イメージ

 さらに、各種サービスの開発や連携、利用のための総合的な窓口となる「ビジネスパーク」を開設し、SaaS化を検討するISVやSaaSと利用する企業をサポートしていくという。

 今夏から次世代データセンターの試験運用を始め、10月ごろから年末にかけて順次サービスの提供を開始する。併せてパートナー支援プログラムの策定など、SaaSを展開するための枠組みを整備していく。

 角氏は、「まずは国内のSaaS市場を立ち上げることが優先だと考えており、われわれが提供できる限りのものを展開していきたい」と話した。同氏によれば、ユニアデックスとネットマークスの持つ営業およびシステム構築のリソースも統合して、SaaS事業を拡大させるとしている。

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