バックアップの理想郷――それは自動化されたデータ保護Windows Server環境バックアップ実践 [構築編](2/5 ページ)

» 2008年06月10日 08時00分 公開
[谷川耕一,ITmedia]

Backup Exec 12による重要データのバックアップ

 Backup Exec 12は重要なデータを保護するためのものだと簡単に説明しているが、このソフトウェアの機能はかなり豊富だ。通常用途におけるWindows Serverの特定フォルダやファイルを効率良くバックアップするだけでなく、OracleやSQL Serverといったデータベース、Exchange Server、SharePoint Server、Active Directoryなどのアプリケーションについても、データベースやアプリケーションを止めることなくバックアップが可能だ。

 とはいえ我が社では、各種データベースを開発には利用しているものの、日常業務では利用していないので、今回のバックアップ対象にはしない。アプリケーションで利用しているのは、Active Directoryだけだ。Active Directoryエージェントを利用すれば個々のユーザーとその属性までをきめ細かく復元でき、その際にも再起動は不要で便利だが、現状社員数も少なく複雑なディレクトリ構成をとっていない。そのため今回は、Backup Exec System Recoveryによるシステム全体のバックアップで良しとする。

 我が社の環境でまず必要となるのが、共有ドキュメントサーバとなっているファイルサーバのバックアップだ。このファイルサーバのバックアップで活用するのが、Backup Execの1モジュールであるContinuous Protection Server(CPS)だ。これを利用すると、ファイルサーバのデータを「継続的」に保護することができる。

 この継続的というのがどういう仕組みかというと、まずファイルサーバの保護対象となるすべてのデータを、バックアップサーバに保存する。いわゆる、最初の完全バックアップの実施だ。その後は、変更点だけを継続的にスナップショットとして複製し保存するのだ。変更点だけなので、継続的にバックアップ処理を行ってもサーバのCPUやネットワークへの負荷はそれほど上がらない。継続的に保存されるデータは、最大で64個のバージョン(64世代)まで持つことができる。ファイルサーバのデータに障害が発生した際には、保存されている複数世代のスナップショットから任意の時点のデータを復旧できるのだ。

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