例えば、旧世代はエンタープライズ2.0を使わないという定説に反し、69歳のCIAエージェントがIntellipediaの記事を3万件以上も編集したケースがあると、バーク氏は話した。
同エージェントは、あらゆる仕事は1つのツールを用いてするものだと考えて育った世代らしく、身の回りのすべてをIntellipediaに投稿しているそうだ。これとは対照的に、Y世代のCIAエージェントは場合によってアプリケーションを使い分け、特定の情報を共有するときはそれに適したツールを使用している。
Sony Computer Entertainment(ビデオゲームソフトウェア部門)のツールおよびテクノロジー担当ディレクター、ネッド・ラーナー氏は、自分が異世界から来た人間のように感じると述べた。Sonyは2004年にwikiを導入したが、同部門で働くさまざまな年齢のプログラマの大半は、既にそうしたツールを利用しており、「彼らを新たに導入したシステムへ誘導する」ことの方が大変だったと話している。
「コラボレーションツールなしには何もできないし、200人もの社員をまとめることは不可能だ」(ラーナー氏)
同氏によれば、この手のツールは製品開発分野で広く活用されているが、人事、財務、法務部門にはそれほど浸透していないという。ここで重要になるのが、部門もしくは部署内の誰かが同ツールを推薦することだ。尊敬されているリーダーがブログを書いたり、wikiに記事を投稿したりすれば、ほかの社員もこれにならうだろう。
Wachovia銀行のe-コマース部門上級副社長を務めるピート・フィールズ氏は、経営陣が同ツールの必要性を認め、これを「自分のものにする」ための手助けを求めることも大切だと述べた。
フィールズ氏の部下のCIO(最高情報責任者)は、エンタープライズ2.0が頭角を現し始めたころ、その将来性は認識しながらもなかなか採用しなかったという。そこで、「Y世代の社員数人を部門に加え、新技術のガイド役とした」そうだ。
経営層が無意味なプライドを捨て、学ぶ姿勢を見せることができれば、エンタープライズ2.0を導入する企業も増えていくだろう。
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