中間管理職がエンタープライズ2.0普及を阻害?懸念すべき事態(2/2 ページ)

» 2008年06月14日 09時38分 公開
[Clint Boulton,eWEEK]
eWEEK
前のページへ 1|2       

 例えば、旧世代はエンタープライズ2.0を使わないという定説に反し、69歳のCIAエージェントがIntellipediaの記事を3万件以上も編集したケースがあると、バーク氏は話した。

 同エージェントは、あらゆる仕事は1つのツールを用いてするものだと考えて育った世代らしく、身の回りのすべてをIntellipediaに投稿しているそうだ。これとは対照的に、Y世代のCIAエージェントは場合によってアプリケーションを使い分け、特定の情報を共有するときはそれに適したツールを使用している。

 Sony Computer Entertainment(ビデオゲームソフトウェア部門)のツールおよびテクノロジー担当ディレクター、ネッド・ラーナー氏は、自分が異世界から来た人間のように感じると述べた。Sonyは2004年にwikiを導入したが、同部門で働くさまざまな年齢のプログラマの大半は、既にそうしたツールを利用しており、「彼らを新たに導入したシステムへ誘導する」ことの方が大変だったと話している。

 「コラボレーションツールなしには何もできないし、200人もの社員をまとめることは不可能だ」(ラーナー氏)

 同氏によれば、この手のツールは製品開発分野で広く活用されているが、人事、財務、法務部門にはそれほど浸透していないという。ここで重要になるのが、部門もしくは部署内の誰かが同ツールを推薦することだ。尊敬されているリーダーがブログを書いたり、wikiに記事を投稿したりすれば、ほかの社員もこれにならうだろう。

 Wachovia銀行のe-コマース部門上級副社長を務めるピート・フィールズ氏は、経営陣が同ツールの必要性を認め、これを「自分のものにする」ための手助けを求めることも大切だと述べた。

 フィールズ氏の部下のCIO(最高情報責任者)は、エンタープライズ2.0が頭角を現し始めたころ、その将来性は認識しながらもなかなか採用しなかったという。そこで、「Y世代の社員数人を部門に加え、新技術のガイド役とした」そうだ。

 経営層が無意味なプライドを捨て、学ぶ姿勢を見せることができれば、エンタープライズ2.0を導入する企業も増えていくだろう。

過去のニュース一覧はこちら

前のページへ 1|2       

Editorial items that were originally published in the U.S. Edition of “eWEEK” are the copyrighted property of Ziff Davis Enterprise Inc. Copyright (c) 2011. All Rights Reserved.

注目のテーマ