Web 2.0技術は、企業が効果的な顧客関係を実現するとともに、ステークホルダーの知恵を有効活用するのに役立つようだ。
コミュニティー/コラボレーションツールがCRMの分野に進出しようとしている。
Salesforce.comとOracleはこの数カ月の間に、企業が有望なアイデアを素早く特定し、チームの生産性を改善し、大企業がよりパーソナルな顧客サービスを提供することを可能にする新技術/製品を提供した。
これらのツールは、この業界が来年に目指すと予想される方向に光を投げ掛けている。
インターネットとWeb 2.0現象は、以前には不可能だったり期待できなかったりというような顧客との密接なつながりを可能にした。多数の代替情報ソースの出現により、ベンダーと顧客との関係性は、ベンダーを中心とした関係から、顧客とベンダーの相互関係に加え、両者がそれぞれパートナー、ディストリビューター、そしてほかの顧客と関係するものに変質した。
Web 2.0技術は、CRM(カスタマーリレーションシップ管理)のユーザーがこういった変化を本質的な部分で活用することを可能にする。例えば、「Salesforce Ideas」技術は、ユーザーが新しいアイデアを提案し、さらにアイデアに投票することを可能にする。これにより、企業は従業員、顧客、パートナーから提案されたベストなアイデアを特定することができる。これは、Diggを企業のニーズに適合させたパーソナルバージョンともいえる。
Salesforce自身のIdeasのインプリメンテーションである「Salesforce Idea-Exchange」(ideas.salesforce.com)には数千件(6月11日の時点で約7600件)のアイデアが登録されている。例えば、関連するオブジェクトデータを数式フィールドに挿入し、表示形式のインライン編集や参照時のフィルタリングを可能にするといったアイデアなどがある。同サイトによると、これらのアイデアの多くは、今夏にSalesforce.comに実装される予定だという。
DellもSalesforce Ideas技術を導入した。このインプリメンテーションは「Dell IdeaStorm」(dellideastorm.com)と呼ばれ、顧客がDell製品に関する新しいコンセプトや新機能について提案、投票することができる。
Dellのマイケル・デルCEOは、フォーラムをモニターし、ベストなアイデアを実施するよう直属の部下に指示した。同サービスが昨年に運用を開始して以来、1万件近くのアイデアが紹介され、6万5000件以上のコメントが寄せられたという。
このサービスで提案され、最近採用されたたアイデアの中には、IdeaStormサイトに新しいタグを追加するといった現実的なものもあれば、「Dell XPS 1530」ノートPCにより高解像度のディスプレイを搭載するとか、「Dell XPS」デスクトップPCにRAID 5技術を組み込むといった高いレベルのアイデアもある。
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