「業務はプロ、開発は素人」が取り組むシステム画面のラフスケッチ闘うマネジャー(2/3 ページ)

» 2008年06月19日 08時56分 公開
[島村秀世,ITmedia]

業務の見直しが始まる瞬間

 流れが理解できたら、一呼吸おいて画面を見直してもらうように、筆者はいつも次のような言葉を投げている。

 「現場で、この仕事をしてきたんだよね。無駄だと思うところは無かったかな。ちょっと手順を変えたら早く帰れるのにって思うことあったでしょ?人事課や主管課に、期限を決められた上で、あれ出せ、これ出せっていわれて嫌な思いしてたっていってたじゃない。この際、変えてみたら?」

 「この画面の流れは文書規定通りみたいだけど、現場ではその通りにやってたかな。上手に手を抜いて、はしょってたんじゃない?それに、この画面通りに仕事をしたら、課長は朝から晩まで決裁することになるよ。課長には、他にもっとやってもらう仕事があるんじゃない?何度も決裁するんじゃなくて1回で済ませるやり方を考えようよ」

 こんな感じで話していくと、若干の抵抗はあるものの、しばらくすると職員は業務を見直し始める。どの職員も、おぼろげに無駄や改善すべき事柄を知ってはいたが、具体化できていなかったため意見できなかったし、「おまえに何が分かる」といわれるのも嫌だからと放っておいただけなのだ。目の前に画面デザインを広げ、眺めてみると、「改善といっても、この画面にちょっと機能を追加するだけだったり、DBを上手に検索するだけだ」ということに、職員は初めて気付き、画面を修正する。この後、改めて周りの職員と相談してさらに画面を改善し、ユーザーである主管課・業務課との相談へと進む。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ