「心理的すれ違い職場」をカイゼンせよ!――メールだけじゃダメ職場活性化術講座(2/2 ページ)

» 2008年06月21日 08時48分 公開
[徳岡晃一郎,ITmedia]
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コミュニケーションのフローを設計せよ

 発信の際に考えるべき点の2つ目は、コミュニケーションのフローです。すなわち、いつ誰がどのような形で、相手にコミュニケーションをとっていくかのデザインです。伝えたいメッセージと対象者を決め、ツールもいくつか用意できたらば、どう実行するかということになります。

 例えば、自分の課で今年は大きな変革をしないといけない、そんなメッセージを発信して、みなに実行に移してもらわねばならないといったような場合を想定してみましょう。まずは年始の方針発表で、自分の思いと考え方、ゴールなどを直接語り、キックオフをします。キックオフではシャンパンで一杯やる場を設けてもいいでしょう。その後、みなにスローガンを考えてもらい、双方向のしかけを行います。それと同時に、進め方のアイデアのブレストを行って意見を出してもらいます。それらをまとめて、他部署や社外の人にも聞いてもらい、みなでさらにブラッシュアップして、あなたの本気度を課員に見せる演出をします。実行計画やスローガンが固まったら、それを絵心のあるスタッフにきれいなイラストや絵にしてもらいシールを作って配布し、みなの想像力を膨らませ、盛り上がりを図ります。

 実行段階では、進捗を「見える化」するグラフを貼り出したり、個別面談を充実させて、壁を共に乗り越えていく姿勢をアピールします。定期的な簡易版の意識調査も頻繁に行い、みなの気持ちや悩み、問題点などを確認していきます。また、キーメンバーは飲み会に誘い、スタッフを勇気付けてあげるようにうながします。途中段階での努力に対する認知や賞賛なども勢いを増すには効果的なので、場を用意してあなたからの直接のお礼と激励のメッセージを発信します。また、悩んでいる部下がいる場合には、メールや個別面談のフォローが欠かせません。

 こうして結果が出たら、チームの皆にお礼をすると同時に、評価の面談でよかった点、至らなかった点などを率直にフィードバックします。

 例えば、このような形で、予め年間のコミュニケーションプランを作り、あなたのメッセージ発信戦略を大筋で計画しておくのです。このようなイメージをわかせる概略のプランでもいいのです。1年間は短いですし、とても忙しいので、コミュニケーションは後回し、出たとこ勝負になってしまいがちだからです。

 ぜひ、ツールの品揃えと年間コミュニケーションプランを自分の戦略として検討してみてください。

プロフィール

とくおか・こういちろう 日産自動車にて人事部門各部署を歴任。欧州日産出向。オックスフォード大学留学。1999年より、コミュニケーションコンサルティングで世界最大手の米フライシュマン・ヒラードの日本法人であるフライシュマン・ヒラード・ジャパンに勤務。コミュニケーション、人事コンサルティング、職場活性化などに従事。多摩大学知識リーダーシップ綜合研究所教授。著書に「人事異動」(新潮社)、「チームコーチングの技術」(ダイヤモンド社)、「シャドーワーク」(一條和生との共著、東洋経済新報社)など。


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