BPMエンジンを組み込んだWebシステム基盤ソフト、NTTデータ イントラが提供日本特有の業務プロセスに対応

BPMの機能を組み込んだWebシステム構築基盤製品の最新版をNTTデータ イントラマートが発表した。人が介在する日本特有の業務プロセスに対応できる。

» 2008年06月25日 19時08分 公開
[藤村能光,ITmedia]

 NTTデータ イントラマートは6月25日、企業が開発するWebシステムに利用できる業務コンポーネントや開発環境を提供する基盤ソフトウェア「intra-mart ver.7.0」の提供を7月に開始すると発表した。

 intra-martは、Webシステム構築の基盤製品。Webアプリケーション開発に役立つ約500種類のコンポーネント、それらを同じルールで利用するためのフレームワーク、構築したWebアプリケーションを動かすアプリケーションサーバを提供する。これらを用いて同社が構築した約40種類の業務アプリケーションもサービスとして提供している。すべてのソースコードを公開しているため、Webシステムの柔軟な開発ができるという。

image 内部統制対応として業務プロセスやリスクコントロールマトリクス図、業務フローを統合管理できるようになった

 新版となるintra-mart ver.7.0は、BPM(ビジネスプロセス管理)の機能を追加したことで、申請と承認といった人が介在する業務プロセスの処理性能が向上した。BPMエンジンには、国際標準規格のBPEL(Business Process Execution Language)に準拠した米インタリオのオープンソース製品を採用している。内部統制対策として、業務プロセスを定義すると、リスクコントロールマトリクスを自動で生成する機能も追加した。

 各コンポーネントの強化も図っている。例えば、ポータル画面の使い勝手を向上させたことで、ドラッグ&ドロップといった簡単な操作で業務フローを変更できるようになった。

 企業がSOA(サービス指向アーキテクチャ)化に取り組めるように、社内のシステムや社外のWebサービスとも柔軟に連携できるようになっている。intra-martで構築した業務アプリケーションを資産として保存し、新たな業務アプリケーションを作ったり、サービスとして再利用したりすることも可能だ。

image 「ワークフローがわれわれの製品の決め手。ERPなどに組み込むことでアドオンに掛かるコストも減らせる」と中山氏

 「外国のBPM製品では対応できない日本特有の業務プロセスを処理できる機能を実装した。事業部ごとに構築したERPやレガシーシステムとも簡単に統合できるため、会社全体のワークフローとビジネスプロセスが扱える」とNTTデータ イントラマートの中山義人社長は新製品に胸を張る。

 intra-martは主に大規模の企業向けの製品となるが、同製品を基に構築した業務アプリケーションをSaaS(サービスとしてのソフトウェア)形式で、中小企業に提供する考えもあるという。「SaaSの開発は来年以降に着手する」(中山氏)

 価格は1CPU当たり100万円から。初年度に100社への導入を目指す。

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