中堅中小企業の経営基盤改革術

中堅中小企業のタレントマネジメント戦略人事戦略コンサルタントの提言(3/5 ページ)

» 2008年07月01日 08時00分 公開
[三城雄児,ベリングポイント]

決断期の戦術――周りを巻き込め

 寄らば大樹の発想で大企業志向が再び高まり始めている。本人の入社や転職の意思決定に影響を及ぼす両親や友人にもその傾向が強い。ベンチャー企業が優秀な候補者を確保するためには、候補者の周りにいる人物(家族や友人)を巻き込んで味方にしていく取り組みも必要だ。

 中小企業支援のコンサルティング・アウトソーシングを展開しているマングローブ(東京・千代田)の入社式には、学生の両親が訪れる。毎年、結婚式さながらの会場で一生に一度の社会人初日を祝う。良いスタッフに囲まれていることを示し、両親に安心してもらうこともねらいだ。

定着期の戦術――試用期間が定着率向上の鍵

 説明会や面接だけでは、仕事のすべてを伝えられない。実際の仕事を入社前に経験してもらうことが採用後の定着率向上に影響する。候補者は企業の、企業は内定者の良い面、悪い面をすべて把握したうえで、お互い納得して入社するのだ。

 アパレル業を営む東京芸夢は業界では珍しく正社員比率80パーセントを超える会社だ。1次面接で本人の希望を聞き、現場で一定期間アルバイトをしてもらい、毎日の掃除など泥臭い仕事も経験させる。その後、本人および現場の責任者が納得しない限り採用内定は出さない。このような採用手法をとってから、若手正社員の定着率は飛躍的に改善した。

 採用氷河期を乗り切るためには、認知期から定着期まで、各期に応じた戦術を駆使することが有効である。上記は一例にすぎない。図1に5つの期それぞれで重要なポイントをまとめたので、参考にして欲しい。

【図1】中堅中小企業の採用戦略 〜5つのフェーズ別の採用戦術例〜

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