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» 2008年07月04日 14時00分 UPDATE

アナリストの視点:セルフヘルプによる効率向上――FAQの役割や意義 (1/2)

FAQ(Frequently Asked Questions)とは「よくある質問」などと訳されるQ&A集のことである。

[忌部佳史(矢野経済研究所),ITmedia]

 FAQ(Frequently Asked Questions)とは「よくある質問」などと訳されるQ&A集のことである。企業のホームページに掲載されているので、多くの方が利用したことがあるだろう。

 企業にとって問い合わせ対応といえば、コールセンター/コンタクトセンターが主役となる。コールセンター/コンタクトセンターの運営では顧客満足と効率性の両方が求められ、少ないコスト(人員・設備など)でどれだけの顧客満足を獲得できるか、という点が命題となっている。通常、この2つはトレードオフの関係にある。顧客満足を高めるためには、なるべく待たせずにオペレーターが対応することが重要となる。そのためにはオペレーター要員を増やすのが定石となるのだが、要員数を増やせばコストが増加するため、効率性は低下することになる。

 そこで、単純に要員を増やすのではなく、さまざまな手法により効率化を図ろうとする取り組みが行われているわけだが、そのひとつがFAQによるセルフヘルプという考え方である。これは、簡単にいえば、問い合わせの多い項目をWeb上に掲載しておくことなどにより、消費者に自分自身で問題を解決してもらおうとする考え方である。セルフヘルプにより、ユーザーからのコール数を減少させ、コールセンター/コンタクトセンターの負荷を低減させることを狙いとしている。

 FAQは、ユーザーにとっても自分の都合の良い時間にアクセスし、参照することができるというメリットがあり、双方にとって有益な仕組みであるといえるだろう。このFAQには、利用者の違いにより、公開FAQとオペレーター向けFAQの2種類がある。公開FAQは、Web-FAQなどとも呼ばれ、ユーザーや消費者のためにWeb上に公開しているFAQのことである。一方、オペレーター向けFAQは、コールセンターなどにおいて、ユーザーや消費者の質問に回答するために、オペレーターが参照するFAQのことである。

 ここでは公開FAQの製作を支援するソフトウェア市場について解説したい。

勢い増すASP型FAQソリューション

 FAQパッケージを販売・提供する主要ベンダー8社を調査したところ、FAQパッケージ市場のエンドユーザー渡し価格によるライセンス売上高は、2006年は1328百万円、2007年は1585百万円(対前年119.4%)、2008年は1915百万(同120.8%)となる見込みとなった。また、コンサルティングやサポート売上なども含めたFAQ総売上高では、2006年の2255百万円に対し、2007年は2680百万円(対前年118.8%)、2008年は3152百万円(同117.6%)と見込まれる。

 昨今の特徴としては、案件の小型化が挙げられる。FAQはすでに大手では一巡したとの声もあり、導入済み企業からの改良や更新はあるものの、新規案件としてでてくるものは小型案件ばかりというのが実情となっている。こうした動きはFAQ市場に限るものではないが、同市場では案件サイズは500万〜800万というのが主力ゾーンとなっており、特に小型化が進んでいるようだ。

 こうした小型案件の増加にマッチしたのがASP提供である。FAQパッケージ市場において最大手となるのがOKWaveであるが、同社はASPベンダーであり、この事業モデルを従前より採用してきたことが、同社の成長を下支えしているといえるだろう。また、NTTアドバンステクノロジでは新規案件の7割以上がASP提供となっており、また、野村総合研究所でもプラスアルファ・コンサルティングをパートナーにASP展開へと進出した。

 自主運用とASPの構成割合を比較すると、2005年時点ですでにASPが50.2%と過半をしめていたが、2007年には54.1%がASPになると見込まれており、着実にASPへとシフトしている。

yanokeizai31.jpg 表1 2005-2011年のFAQパッケージ市場規模推移(矢野経済研究所推計)
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