グリーンITを取り巻くさまざまな動き洞爺湖サミット迫る(2/3 ページ)

» 2008年07月05日 17時41分 公開
[岩上由高(ノークリサーチ),ITmedia]

グリーンITを推進する各種団体

 グリーンITの定義を理解したところで、次にグリーンITを推進する各種団体の動きを見てみよう。代表的なものとして以下の3つがある。いずれも非営利団体としての形態を取っている。

  • The Green Grid

 The Green Gridは、2007年2月に米APC、米AMD、米HP、米IBM、米Intel、米Microsoft、米Sun Microsystems、米VMWare、米Rackable Systems、米SprayCoolをボードメンバーとして設立された。データセンターにおけるエネルギー効率向上を主な活動内容とし、PUE(詳細は連載第2回参照)などの評価指標を提唱している。ボードメンバーのうち日本法人を持たないRackable SystemsとSprayCoolを除いた9社の日本法人が活動の中心となっている。

 2008年5月には日本における活動も開始され、日本語ホームページ開設(http://www.thegreengrid.org/japanese)や各種委員会の設置などを行っている。日本の大手ベンダーやデータセンター事業者も既に会員として名を連ねており、同団体が提唱するデータセンター評価指標は業界標準的な位置付けを今後占めることになると予想される。

Climate Savers Computing Initiative

 世界自然保護基金(WWF)が推進するClimate Savers Programの一環として、2007年6月に米Googleと米Intelによって設立された。同イニシアティブにはベンダーとユーザー双方が参加し、ベンダーは一定の省エネ基準を満たした製品の開発と製造を約束し、ユーザーはそうした製品の購入を約束するというユニークな取り決めを実施している。このルールの下、IT機器利用によって生じるCO2排出量を2010年までに年間5400トン削減することを目標としている。既に日本語サイトも存在している。

  • グリーンIT推進評議会

 経済産業省が提唱する「グリーンITイニシアティブ」に基づいて2008年2月に設立された、産官学のパートナーシップによる非営利団体である。参加企業は2008年5月現在で170社に及び、IT業界に限らず多岐に渡っている。2008年5月には「The Green Grid」および「Climate Savers Computing Initiative」のそれぞれと関係強化に関する覚書を締結し、国内外の協力体制を強化している。

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