モノづくりの現場を支えるカシオの業務用PDA:高い操作性とネットワーク対応で工場の生産ラインを効率化

大手電力用電線メーカーのエクシムは、愛知工場でカシオの業務用PDA「DT-5200」を活用している。部材の在庫管理には以前から他社製ハンディターミナルを用いてきたが、「DT-5200」では画面の情報量やキーの操作性、無線LANによるリアルタイム通信など、その使い勝手が高く評価されているという。


広い工場内で大量の部材を管理

photo エクシム 愛知工場

 エクシムは、日本と世界の高圧電力事業をリードする昭和電線電纜(現・昭和電線ホールディングス)と三菱電線工業が、両社の電力用電線事業を統合する目的で2002年に設立した大手電力用電線メーカー。電力会社や重電系メーカーなどを主な顧客として、地中、海底、架空配線の各種送電線や関連製品などの販売・研究・開発・製造・施工を手掛けている。愛知工場の電力ケーブル部では地中や海底で用いられる銅ケーブル、仙台工場の架空送配電部は空中用のアルミケーブルを主として生産しており、また相模原工場では電力機器などを生産している。

photo エクシム 電力ケーブル部 製造課 古賀和彦氏

 送電ケーブルは、銅やアルミなどを撚り合わせた導体が中心ではあるが、その周囲を絶縁したり、電磁波の漏洩を防いだり、腐食からケーブルを守ったり、張力に耐えたりするため、さまざまな部材が必要となる。例えば、特に高電圧送電に使われることの多いOFケーブル(油浸紙絶縁ケーブル)では、紙を幾重にも巻いたところに油を浸透させて絶縁体とする構造だ。これは、高い絶縁効果を持つ特殊な油を活用するための工夫である。もちろん、その外側も金属や樹脂による多重構造で包み込み、油が漏れたり、外からの不純物が混入しないよう、保護されている。

 このように多様な材料を用いているだけに、その在庫管理は重要だ。材料の多くは巻き取られた状態で保管され、製品を編み上げる際に各装置へとセットされるため、その材料の束ごとに種類や残量を登録しておき、バーコードラベルを貼り付けて管理している。

 「仕掛かりの際には、いったん束ごと在庫から出した扱いにします。その材料が残った場合には、保管スペースへ戻す際に残量を入力し、改めてラベルを出すようにしています」と、電力ケーブル部 製造課の古賀和彦氏は説明する。

photo エクシム 電力ケーブル部 生産技術課 課長代理 上野伸年氏

 エクシム愛知工場の広い建屋内には、大量の材料とともに各種の装置が整然と配置されている。作業の際には各装置の目の前で在庫の出し入れ処理を行うのが効率的という考えから、以前からハンディターミナルを材料の在庫管理に用いてきた。

 「生産・材料管理システム全体が古くなってきて、少しずつ問題点が出てきました。数年前には使用中のハンディターミナルも生産終了となり、故障した端末を修理したり買い替えたりすることもできなくなって、数も足りなくなるということで、システム全体を更新し、材料管理システムの端末も入れ替えることにしたのです」(電力ケーブル部 生産技術課 課長代理 上野伸年氏)

作業効率を高めつつヒューマンエラーを防止

 エクシムの新しい生産・材料管理システム構築は、同社と同じく昭和電線ホールディングス系のアクシオが手掛けた。プロジェクトは2007年7月に開始、2008年2月完了というスケジュールで進められた。

photo アクシオ 技術本部 業務システム部 須田浩之氏

 課題となっていた材料管理システムの端末に関して、アクシオではカシオの業務用PDA「DT-5200」を提案し、採用された。アクシオ 技術本部 業務システム部の須田浩之氏は、「DT-5200はエクシムの愛知工場以前に、昭和電線グループのほかの工場で採用実績があります。このときは、価格や耐久性などの条件に合致する数機種の端末を現場の方に評価していただいた結果、DT-5200に決定しました。既に昭和電線グループの複数拠点で稼動しており、各現場から高い評価を得ています」と説明する。

 すでにほかの工場で実績を積んできた端末だけに、エクシムでも「DT-5200」は安定して稼動している。また、以前の端末が生産終了になって久しく、故障した端末を補えなかったため常に不足していたが、「DT-5200」では必要な場所に1台ずつ配置でき、それも大きなメリットになったという。

 古賀氏は、「以前使っていた他社製ハンディターミナルに比べると、画面が大きく見やすくなりました。また、明るい表示なので、夜中や暗い場所での作業でも視認性は良好です。テンキーなどの操作部分も、携帯電話のような感覚で扱えるので評判は良いですね。また、現場では落下の可能性がありますし、またホコリや油、水などもあって端末にとってはハードな環境ですが、落下強度や防滴・防塵性能も優秀で安心して使用できます」と話す。

photo 工場の各所に配置された「DT-5200」で材料の在庫を把握

 端末の更新と同時に、システム面も機能強化が図られている。例えば、以前の端末ではクレードルでデータを転送する必要があったのが、「DT-5200」の導入に合わせて工場内に無線LAN網を構築、事務所内に置かれたサーバとリアルタイムでデータ通信を行えるようにした。

 「画面も、以前の機能をベースとしつつ、いろいろな情報を増やしています。台数が充実しただけでなく、無線LANやアプリケーション機能強化のおかげで、ストレスなく快適に使えるようになりました」(古賀氏)

 このような使い勝手の改善は、業務効率の向上、さらにはデータの正確性をもたらした。上野氏は、次のように話している。

 「以前の端末では不便な面も多かったため、在庫管理を徹底するにはかなりの負担がかかりました。その結果、材料の棚卸し業務に手間がかかることも少なくなかったのです。今回、DT-5200と新システムにしたことで、データの入力も処理も迅速に行われるようになりました。まだ導入してから棚卸を実施していませんが、以前より迅速な棚卸しができるようになると期待しています」

 古賀氏は、今回の材料管理システム更新を、こう評価している。

 「現場サイドとしては、使いやすさの向上が一番のメリットです。若い社員は、特に教える必要もなく使ってくれましたし、年輩の社員も一通りの教育で、全従業員が使えるようになりました。誰でも同じようにシステムを使える環境が実現できたと言えるでしょう。データのやりとりが早くなったことで、作業段取りなどの時間も短縮され、作業効率も高まりました。今後としては、さらに効率を高め、生産量の向上などにも期待したいですね」

 エクシムでは今後、材料の在庫管理だけでなく、別の用途にも「DT-5200」を活用できないかと検討しているところだ。

photo 材料管理システム概要

昭和電線グループ内での横展開も視野に

 アクシオでは、将来的な機能強化が可能なようにグループ各社の新システムを構築しているという。今回エクシムで稼動した材料管理システムでも、オンラインでリッチクライアントを動作させるようにしている。サーバ側のアプリケーション次第で、現時点のインフラを活用しつつ、さまざまな機能を追加できる。

 「アプリケーションを追加すれば、材料管理以外の業務でも活用が可能です。昭和電線グループにおけるほかの工場では、検査結果の入力に使っている例や、完成品の棚卸に活用している例もありますから、グループ内での横展開も期待できます。今後当社が構築を担う新システムでは、Windows CE系のモバイル端末はカシオ製品に統一していく予定です。各工場で同じ端末を使うことで、ノウハウを蓄積していきたいと考えています」(須田氏)



提供:カシオ計算機株式会社
企画:アイティメディア営業本部/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2008年7月21日


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